位牌の処分~業者の費用を格安にする方法と、浄土真宗のルール~

位牌を継承できず、処分する家庭が増えています。遺品整理の現場でも「位牌をそのまま処分したい」というご要望をいただくことが多くなりました。

そのような風潮の中でも、多くの方は下のようなことで悩まれているものです。

  • そもそも、位牌は処分していいのか
  • 依頼するとお金はいくらかかるのか

弊社の場合は「合同供養なら無料」ですので、それをお伝えすると安心していただけます。しかし、弊社のお客様にはそうして安心していただけても、まだ同じように悩まれている方は全国に大勢見えるでしょう。そうした方々にご安心いただけるよう、この記事では「位牌の処分」について解説していきます。

(なお、位牌と合わせて仏壇の処分についても詳しく知りたい方は、下の記事を参考にしていただけたらと思います)

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位牌の処分方法は二段階

位牌

位牌の処分方法は2つの段階に分かれています。「魂抜き」と「お焚き上げ」ですが、ここではそれぞれの意味を簡単に説明します。

まず「魂抜き」をする

位牌には魂が宿っています。仏教の浄土真宗はこの考えを否定していますが、その他の宗派では概ね「位牌には魂がある」という考え方です。

そのため、まずはその魂を抜く供養をします。これが「魂抜き」です。魂抜きの詳しい解説は、別の段落で行います。

次に「お焚き上げ」をする

魂抜きが終わったら、空っぽになった位牌を「浄火で天に還す」供養をします。これがお焚き上げです。

浄土真宗では、上に書いた通り「魂は最初から込められていない」という考え方をします。そのため「いきなりお焚き上げ」に入るのが位牌です。

その他、神道でもお焚き上げによって供養をします。お焚き上げについては、別の段落で詳しく解説します。

魂抜きとは

魂抜きのイメージ

上の段落で書いた通り、位牌の処分はまず「魂抜き」を行います。ここでは魂抜きとはどのような儀式化を解説していきます。

位牌・仏壇などを処分するときの儀式

魂抜きとは「位牌や仏壇を処分するとき、お墓から遺骨を出すときなどに行う儀式」です。読み方は「たましいぬき・たまぬき」の2通りがあります。

お性根抜き・閉魂(閉眼)法要とも

魂抜きには、下のような別名もあります。

  • お性根抜き
  • 閉眼法要
  • 閉魂法要

よく「性根が腐っている」などといいますが、あの「性根」というのはもともと仏教用語で「魂」という意味なんですね(私達の生活の中には、かなりの仏教用語が入っています)。

何をやるのか?→読経

読経

魂抜きでやることは、主に読経です。「お経を読む」ということです。つまり「普通の法事」とほとんど同じ内容になります(一般の感覚では)。

あくまで「魂を抜く」作業なので、たとえば位牌を機械のようにいじくっって物理的な作業をする、ということはありません。また、火を使うことなどもありません。

宗教・宗派によって多少異なる

魂抜きは基本的に仏教で行われます。ただ、その仏教の宗派によっては、読経以外の作業が加わることもあります(新興宗教も含め、仏教には多数の宗派があります)。

また、仏教だけでなく神道の魂抜きもあります。こちらはあまりメジャーではありません。「神道 魂抜き」と検索しても、仏教の情報ばかりが出てくるほどです。

神道の場合は何をするのか

宗派によりますが、主に「お祓い」をします。多くの人が神社で見たことがあるだろう「笹のようなものを神官が振る作業」です。

文字通り「振り払う=はらう」動作をするわけですが、これで魂を「お払い」するわけです。

お焚き上げとは

お焚き上げ

位牌の処分は、魂抜きの後でお焚き上げをして完了となります。ここではお焚き上げとは何かを解説していきます。

位牌・遺品などを浄火で天に返すこと

お焚き上げとは、位牌や遺品などを浄火で天井に還すことです。簡単に書くと「燃やして供養する」といえます。

どこに頼む?…お寺・神社・業者

お焚き上げを頼む場所は「お寺・神社・業者」の3通りです。業者には下の2通りがあります。

  • お焚き上げ専門業者
  • 遺品整理業者

どちらの業者も受け取った遺品をお寺・神社に受け渡すという点では同じです。

お焚き上げ業者と遺品整理業者の違い

これはどちらの分野でも「どの業者で比べるか」によって異なります。その前提で書くと、概ね下のような違いがあります。

遺品整理業者 合同供養なら無料
お焚き上げ業者 合同供養でも有料(1000円~5000円程度)

これだけ見ると「遺品整理業者の方がいい」と思うでしょう。実際「遺品整理を依頼するなら」その通りです。

遺品整理業者の合同供養は「サービス」である

業者

遺品整理業者は、遺品整理を頼んでもらえた時点で「最低限の利益」は確保できています。となれば、そこから先は「サービス」してもいいわけです。

もちろん「さらに合同供養でも稼ぐ」という発想もあるでしょう。しかし、合同供養が無料の業者と有料の業者がいたら、普通は前者に魅力を感じるものです。

そのため、業者間の生き残りという目的もあり、多くの業者は「合同供養は無料」としています。業者数が多い分、競争原理が働いているわけです。

お焚き上げ業者は「供養だけ」ならおすすめ

一方、お焚き上げ業者は「供養だけを頼める」「遺品整理を頼まなくていい」というメリットがあります。遺品整理の料金はケースバイケースですが、安くて2万5000円程度から。4LDKなどの大きな物件であれば20万円~60万円程度と、それなりの費用がかかるものです。

(遺品整理の料金相場については、下の記事を参考になさってみてください)

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これらの費用が払えない、あるいは「そもそも遺品整理が必要ない」ということもあるでしょう。そのような方が、少数の遺品を供養したいだけということであれば、お焚き上げ業者に依頼する方が良いといえます。高くても5000円~7000円程度で済むためです。

自分に適した方に依頼しよう

このように、お焚き上げ業者と遺品整理業者の供養には、それぞれのメリットがあります。ご自身のニーズに適した方を選んで、活用していただけたらと思います。

費用は?…0円~3万円程度

お焚き上げの費用は、依頼する場所・内容によって異なります。場所や内容ごとにおおよその目安を示すと、下記の通りです。

遺品整理業者(合同供養) 無料
遺品整理業者(個別供養) 2万円~
お焚き上げ業者(郵送のみ) 1500円~(送料込み)
お寺・神社(郵送) 3000円~1万5000円(送料別)
お寺(現地) 1万円~3万円
神社(現地) 取り扱い少

遺品整理業者の「個別供養」というのは、たとえば「僧侶を自宅にお呼びして供養する」などの内容です。弊社みらいプロセスでは、この内容で2万円からお受けしております。実際の個別供養の金額は、そのやり方や業者によって異なると考えてください。

最期の神社(現地)の「取り扱い少」というのは「持込を受け付けている神社自体がほとんどない」ということです。少なくとも、ホームページを開設して、供養の情報を提供している神社の中では、ほとんど見当たりませんでした。

同じように探してもお寺の方は多数見つかります。このため、探し方の問題ではなく「神社の現場供養自体が、お寺と比較して圧倒的に少ない」ということは間違いないでしょう。

なお、上記の費用も含め、お焚き上げについての詳しい情報は下の記事でまとめています。

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浄土真宗での位牌の処分

浄土真宗

故人が浄土真宗を信仰していた場合、あるいはご遺族の方が信仰されている場合「浄土真宗では、位牌の処分はどうなるのか」という点が気になるでしょう。ここでは「浄土真宗での位牌の処分」について解説していきます。

浄土真宗には位牌がない

実は、浄土真宗には「位牌」という概念がありません。そのため、位牌の処分以前に、浄土真宗でお葬式をあげた場合、原則として位牌自体がないのです。

魂抜きもしてもらえない

位牌という発想自体がないわけですから、浄土真宗のお寺では魂抜きをしてもらえません。「位牌に魂は宿らない」と、浄土真宗の僧侶は考えるためです。

このため、浄土真宗で位牌の処分をするときは「どこに魂抜きを頼むか」が問題になります。

例外的に手がけるお寺か、他宗で頼む

浄土真宗の中にも、お寺やお坊さんの方針で、例外的に魂抜きに対応しているお寺があります。そうしたお寺なら、依頼することもできるでしょう。

そのような浄土真宗のお寺が見つからなかったら、真言宗・日蓮宗などの他宗派のお寺に依頼することになります。

位牌処分を格安でする方法

電卓とお金

お焚き上げの費用相場

あらゆる遺品をすべて供養するお焚き上げではなく「位牌だけ」のお焚き上げの場合、下のような料金が1つの相場となっています。

送付供養 2500円(1柱)
持込供養 2.7万円(5柱まで)
永代供養 3万円(1柱)

これはあくまで1社の業者さんの例ですが、それぞれの供養の内容を解説していきます。

送付供養

これは、位牌をお寺に送付し、そこでお焚き上げしてもらうというもの。「一番普通のコース」といえます。

持込供養

これは、位牌を郵送などで送付するのではなく、自分で直接お寺に持ち込むというものです。参考にさせていただいた業者さんの場合、魂抜き(閉眼供養)も付いています。

5柱までで2.7万円という料金なので、もし5柱持ち込む場合、1柱あたりは5000円となります。送付供養は、その半額で「1柱2500円」です。

こうして見ると「持込供養は高い」と思われるかもしれません。しかし、魂抜きが付いていることを考えると、送付供養と同等か割安といえます。

永代供養

永代供養

これは、参考元の業者さんの場合「7年間供養したあとでお焚き上げをする」というものです。つまり「いきなりお焚き上げをするのは冷たい」と感じてしまう方のためのサービスといえます。

この費用には、位牌の年間管理費も含まれています。つまり、上記の3万円以上の出費はありません。

魂抜きがあるかないかについては、明記されていません。魂抜きがある「持込供養」については明記しているので、おそらく「永代供養の方に魂抜きは付いていない」と思われます(別料金がかかる可能性があります)。

33年など長期の永代供養(お寺に直接依頼する場合)

お墓

上で紹介した「永代供養」の場合、7年というルールでした。しかし、業者でなくお寺が永代供養という場合は、33年などの長期を指すことが多いものです。

その場合の相場はお寺によりますが、位牌1つにつき「10万円~50万円程度」ということが多いものです。上で紹介した業者さんが「7年で3万円」ということを考えると、1年あたりのコスパは「お寺に直接依頼する」方がいいといえます。

ここで鍵になるのは「33年などの長期の供養が必要かどうか」ということです。「そこまでの宗教心はない」と思うのであれば「7年で3万円」の方が、トータルで支払う金額は小さくなります。

1年あたりのコスパも大事ですが「そもそも、長く供養してもらう必要性を感じない」という場合は、短期間でも「総額が安い」方がいいでしょう。

魂抜きの料金相場

魂抜きをお寺や神社に直接依頼する場合、費用の相場は1万円~5万円程度です。あくまで「お気持ち」ということで、決まりはありません。しかし、多くの人がこの金額の範囲内で支払っているため、この範囲内にするべきといえるでしょう。

迷ったら3万円にする

迷った場合は、中間をとって3万円にするのが基本です。また、お坊さんを自宅に招く場合は、そのお寺が遠い場合、お車代として数千円~5000円程度をお渡しするといいでしょう。

これらはあくまで「そのようなパターン」が多い」というだけで、「こうしなければいけない」ということではありません。あくまで「お布施」なので、最終的には「ご自身の気持ち」で決めることになります。

遺品整理と一緒に業者に依頼するのもおすすめ

業者と女性

位牌の処分は、遺品整理業者にまかせることも可能です。ここでは、どのようなケースで遺品整理業者に頼むのがいいのかを解説します。

遺品整理を自力でやるか、業者に頼むか

まず考えるべきことは、遺品整理を自分でやるのか、業者に依頼するのかという点です。業者に依頼するのであれば、位牌の処分もその業者に任せるのが一番といえます。

(もし自分で遺品整理をやるのであれば、遺品整理の「コツ」を知っている必要があります。遺品整理のコツについては、下の記事で詳しく解説しています)

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業者に頼むなら、位牌の処分は無料

ここまで費用の説明などでも書いてきた通り、遺品整理を業者に依頼するなら、その業者が位牌を無料で処分してくれます。位牌だけでなく、供養が必要な遺品のほとんどを、無料で供養してもらえます。

やり方は合同供養になる

その供養のやり方ですが、ここまでも説明してきた通り「合同供養」になります。他の方の位牌や遺品と一緒に行う、ということです。

合同供養でも、供養のレベルが下がるということはございません。お坊さんが「金額によって故人を差別する」ということはありませんから、合同供養でも正当な儀礼にしたがって供養してもらえます。

不燃物が混ざっている場合は、追加料金が必要になる

ギター

合同供養は位牌も含めて、お焚き上げで行います(もちろん、位牌は魂抜きをした後です)。

お焚き上げということは「燃やす」わけです。そのため、家電製品などの「燃えない物」が混ざっていると、それは別の方法で供養し、自治体のルールで処分する必要があります。お寺といっても、国の不要物処理のルールには従わなければいけないのです。

ということは当然、その不燃物を「処分」するための費用がかかります。きわめて現実的な話になりますが、その遺品が家電製品だったら「家電リサイクル法」にしたがって処分しなくてはいけないのです。

家電リサイクル法のルールでは、電気店に対して数千円などの料金を払い、その家電を引き取ってもらいます。お寺も遺品整理業者もそれは例外ではないため、この費用がやむを得ず上乗せされるということです。

まとめ

オペレーターの女性

位牌はサイズこそ小さいものの「故人の魂そのもの」と見なすこともでき、処分がもっとも大変な遺品の1つです。浄土真宗のように「魂など込もっていない」という考え方もあり、扱いについても意見が割れやすいといえます。

それだけに、遺品整理を業者に依頼する場合は「無料の合同供養でまかせる」というのは有効な選択肢です。繰り返し書いてきた通り、実際にお坊さんが行う儀式については、料金による差別がないのです。

  • 遺品整理がスムーズに完了する
  • 質の高い供養が無料で受けられる

このような理由から、遺品整理の業者を利用していただくメリットは大きいといえます。

業者なら個別供養も安くなる

業者と夫婦

合同供養を無料でサービスできるということは、個別供養もある程度割引できるということ。遺品整理業者は「遺品整理を依頼していただいた時点で利益が出ている」ので、供養についてはサービスできるのです。

たとえば弊社みらいプロセスでは、僧侶を自宅に及びする個別供養を、2万円から承っております。これはお寺に直接ご依頼いただくときよりも、1万円~2万円ほど安い金額となります。他社と比較しても最安レベルの相場です。

こうした個別供養のリクエストも含め、みらいプロセスはあらゆるご相談・ご要望にお応えしております。どんなに些細な質問でも結構ですので、まずはお気軽に、お電話・メールでご質問くださいませ。

遺品整理のみらいプロセスの対応エリア

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