断捨離をイラストで示した図解

断捨離とは?意味・ヨガ哲学・仏教・商標登録の解説&50代の終活への応用

断捨離とは

断捨離の内容を示した図解

断捨離とは、不要な事物を断ち・捨て・離れることにより、人生を改善する考え方のこと。単に「大掃除」「無駄を省く」という意味合いで用いられることもある。

「物」を対象にすることが多いが、近年ではあらゆる対象に用いられる。例えば、人間関係仕事時間情報権利サービスなどである。

もともとはヨガの行法である「断行・捨行・離行」に由来している。この内容自体は仏教でも同じ発想が古くからあり、特に断行捨行は釈迦の時代から続く仏教の重要な思想・修行であった。そこに「離行」という言葉を合わせ、ヨガの分野から「断捨離」という造語が生み出された。

沖正弘先生が合掌している写真画像引用元:『沖ヨガ』とは(NPO法人 沖ヨガ協会)

考案者は、日本のヨガの草分け的指導者として活躍した沖正弘である。沖は1976年に出版した自著でこの言葉を用いて以後、少なくとも4冊の書籍で「断捨離」という言葉を使用していた。また、ヨガの世界では「断捨離は沖正弘氏の思想」として認知されていた。

冷蔵庫を開きながら笑顔のやましたひでこさん画像引用元:「ゴミ箱は持たない」断捨離の達人・やましたひでこが教える収納テク(AERA)

この言葉を主に「片付け」の分野に応用し、広く世間に普及させたのが、やましたひでこである。やましたは2009年に『新・片づけ術「断捨離」 』を出版。同書はベストセラーとなり、「断捨離」は2010年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた。

沖が提唱した断捨離は、ヨガの分野では広く知られていたが、一般には普及していなかった。また「片付けに応用する」という発想もメジャーではなかった。それを一般名詞に近くなるほど世に広めたのは、やましたの多大な功績である。

特許庁・公式サイトでの「断捨離」登録商標の検索結果画像引用元:J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)※クリックで拡大(212KB)

2019年11月12日時点で「断捨離」を含む商標は、7の個人・法人によって11件登録されている。2018年に行われた2度の審決において、特許庁は断捨離を「社会に定着し、一般的に通用する語」とし「一般名詞である」という見方を示している。

ヨガの歴史が彫られた粘土板に見えるもの画像引用元:Yoga: Its Origin, History and Development(Ministry of External Affairs)クリックで拡大

当記事は、断捨離の精神を生み出し、人間の世界で育てあげた、歴代のヨガ行者・仏教徒・沖正弘氏・やましたひでこ氏・現代のヨガ関係者・商標としての断捨離®の関係者の方々に、等しく敬意を表しつつ、「断捨離とは何か」を説明する。

「断ち・捨て・離れる」の意味

沖正弘先生とインドのヨーギたち画像引用元:組織概要(NPO法人・沖ヨガ協会)

考案者の沖正弘氏は、自著で下のように説明している。

そんなときのために、自分を改造する方法がある。「断、捨、離」という方法だ。
悪い習慣がついていたら、まずそれを完全にしないように断ってしまい(断)、手の届かないところへ捨て(捨)、ようやく自分をかけ離れたものにする(離)
【引用元】沖正弘『ヨガの喜び』(1989年/光文社)P.245

光文社の同書の公式ページへ(在庫なし)

表にすると、下のようになる。

新たに入って来ないようにする
今あるものを捨てる・消す
悪いもの(事物・習慣・思考)から解放される

要約すると、下のようになる。

インプット(を停止)
アウトプット(を促進)
ゴール(得られる結果)

最後の「離」について「何でここだけ結果なのか?」と思うかもしれない。実際、行いとしては「断・捨」だけで終わるため、仏教は長年この2つを説いてきた。

そこに沖氏が「離」を合わせて断捨離が生まれたわけだが、極端な話「離は削ってもいい」のである(断と捨が本当にできれば、自ずと離の状態になるため)。

実際、沖氏の教えを継承されている龍村修氏が「捨行は離行でもあります」と説明されている(つまり、捨行までできた時点で、離行も自然にできる)。

なお、先述の沖氏の文章は下の書籍に書かれている。

書籍「ヨガの喜び」の表紙画像引用元:ヨガの喜び(Amazon.co.jp)

「大掃除」の意味合いで「断捨離」を用いる例

ウーマンエキサイトのキャプチャ画像画像引用元:ウーマンエキサイト(画像はクリックで拡大)

年末に「ものを大量に捨てる」という行為は、一般的に考えて「大掃除」である。そのような「年末の大掃除」というニュアンスで「年末の断捨離」という言葉を使っている例が、多数見られる。

「無駄を省く」の意味合いで用いる例(例:時間)

一番わかりやすいのは「時間の断捨離」だ。日本実業出版社も、公式サイトで以下のような連載コンテンツを提供している。

【参考】「時間の断捨離」最前線

「時間の断捨離」のページのキャプチャ画像引用元:上のリンクと同じ(画像はクリックで拡大)

人間関係や不要な情報には「捨てる」という動詞も当てはまる。しかし「時間」には当てはまらない。「無駄を省く」(無駄な時間を省く)が、もっとも適切な動詞である。

そう考えると、断捨離という言葉は「無駄を省く」という意味にまで、広がったといえる。実際『ナカイの窓』のコーナー「断捨離の窓」では、完全にその意味で使われていた(無駄な戦略・サービス・声かけなど)。

人間関係

断捨離という言葉は以下の例のように、人間関係の整理にも広く用いられる。

断捨離彼氏

「断捨離彼氏」は、アイドルグループ・ZOCの楽曲。2019年10月9日に、2ndシングルとしてリリースされた。

曲の中には、下のように「断捨離」というフレーズや、片付けを連想させるフレーズが登場する。※リンクをクリックする際は音が出るので注意

(また、本来イケメンである「東海オンエア」のてつや氏が、かなりの変顔で登場するので、閲覧注意)

歌詞全文はこちら。↓

【参考】断捨離彼氏・歌詞(Uta Ten)

この楽曲に関するインタビューは、断捨離の用法としても参考になる。

mikki・ZOCのインタビュー記事のキャプチャ画像画像引用元:文章と同じ(画像はクリックで拡大)

大森「“family name”を作る前に、家族も彼氏も捨てようって曲をファーストにしようとしてたんです。けど“family name”ができちゃったから、“断捨離彼氏”をセカンドにしようとしたら〈femme fataleで断捨離の曲を作っちゃったんですけどうしましょう〉って連絡があって。なんかもう、かぶってるほうがいいんじゃない?ってことになりました(笑)」
戦慄人間関係を断捨離するのっていいじゃないですか。それで男を断捨離する曲を作ったら、ZOCで“断捨離彼氏”が出てきて」
ZOC『断捨離彼氏』 大森靖子が〈共犯者〉な異端児たちがグループの現状と待望のセカンド・シングルを語る!(2ページ目)| Mikiki(タワーレコード運営)

太字のように「人間関係を捨てる」ことに関して、ごく普通に「断捨離」という言葉を連発している。

femme fatale「down shout leaf」

先の「断捨離彼氏」のインタビューにも登場した、femme fataleの楽曲「down shout leaf」。これが「男性を断捨離する曲」であることは、メンバーの戦慄かなのさんのツイートでわかる。

「男を断捨離する曲です。みてね♥」と、極めてライトに書かれている。『ラピュタ』の名言「人がゴミのようだ」を思い出した人もいるかもしれない。何にしても、上記の戦慄さんのツイートから、女性にとって「男性も断捨離の対象となる」ことが読み取れる。


画像引用元:少年院上がり・戦慄かなのが明かす壮絶過去、虐待とJKビジネス(NEWSポストセブン)

戦慄かなのさんは「少年院出身のアイドル」として有名な方である。先ほどのZOCのメンバーでもあり「断捨離彼氏」ではセンターを務められている。その戦慄さんとお姉さんの「実姉妹ユニット」が、femme fatale(ファム・ファタール)だ。

femme fataleの公式プロフィール写真画像引用元:femme fatale(アイドルシティ)

楽曲のMVは下のものである。筆者はあまり音楽に詳しくないが、さわやかでノリの良いテクノポップだと感じる。

サビの歌詞は、下記のようになっている。

バラバラな思い出
夜の向こう側に捨てようよ
願い事 ただひとつだけ
シンプルに片付けたい
めくるめくページも
今はもうただの紙クズだけ
早くスッキリしたいよ
消しカスすら残さない
down shout leaf 歌詞(LYRICAL NONSENSE)

太字部分のように「片付け」のフレーズを散りばめて「男性の断捨離」をポップに表現している。

SNS…MSN Japan(女子SPA!)

中川淳一郎さん画像引用元:人間関係も大掃除「SNS整理」でストレスも捨てちゃおう(女子SPA!)

MSN Japanは、下のように「SNS断捨離」の記事を配信している(元の記事は女子SPA!のもの)。

この年末は家の大掃除と一緒に、無駄なストレスを新年に持ち越さないための「SNS断捨離」を行ってみてはいかがだろう。
(中略)
◆SNSの断捨離で人生は豊かになる!
(中略)
ネットの繋がりを断捨離して人間関係は崩れないか。中川氏は「それはありえない」と話す。

人間関係も大掃除「SNS断捨離」でストレスも捨てちゃおう(MSN Japan)

ご存知の方が多いだろうが、コメントされた中川淳一郎氏(写真)は、インターネット全般に関する著名な専門家の方である。

レタスクラブ

レタスクラブの表紙画像画像引用元:レタスクラブ(Fujisan.co.jp)クリックで拡大

SNSの断捨離をする人が急増中!?
“使わなくなった物”の整理に精を出す人が多い一方で、中には“SNSの断捨離”に励む人も。特に「春」をきっかけにSNS利用の見直しをする人が多く、主に「登録しているアカウントの見直し」をすることで断捨離しているようです。
高橋真麻さんの断捨離への想いに共感の嵐!(レタスクラブ)

「断捨離」という言葉を仕事に用いる例

これは枚挙に暇がない。人によっては「そこ説明するの?」と思うくらい、当たり前かもしれない。まず、提唱者のやましたひでこ氏が、以下の書籍を出版されている。

画像引用元:仕事に効く「断捨離」(画像はクリックで拡大)

2冊目の『感度~』は、パット見「仕事ができる人は掃除もできる」というニュアンスに見えるかもしれない。しかし、内容紹介を読むと「業務の断捨離が上手」という意味であることがわかる。

主要メディアも「仕事×断捨離」の記事を多数公開

笑顔で語る佐々木常夫さん画像引用元:下記リクナビの記事(画像はクリックで拡大)

以下のように、東洋経済・リクナビ・マイナビなどの大企業も、仕事の断捨離についての記事を公開している。

リクナビの記事で語られているのは、元・東レ取締役の佐々木常夫氏である。非常に有名な方なので、ビジネスマンならご存知の方が多いだろう。

情報に用いる例

「それって、必要?」の書籍画像画像引用元:KADOKAWA公式の書籍紹介ページ

ミニマリストとして著名な「筆子」さんが、以下のような記事を書かれている。

情報の断捨離のススメ。頭の中も片付けないと、何もできないまま人生が終わる。(筆子ジャーナル)

筆子さんは、下のような書籍2冊を、KADOKAWAから出版されている女性である。

  • 『それって、必要? いらないものにしばられずに、1週間で人生を変える30の方法(2017年)
  • 『1週間で8割捨てる技術』(2016年)

筆子さん以外でも「情報」に断捨離を用いる例は多い。「SNS断捨離」も、情報の断捨離と重なる部分がある。

権利に用いる例…特許庁広報誌「とっきょ」

断捨離は「権利」という無形財産の処分・整理にも用いられる。「とっきょ」の中で、三島食品法務の髙野智範氏(写真)が、下のように語られている。

三島食品の佐伯俊彦さん(左)と、髙野智範さん(右)画像引用元:下の文章と同じ(画像はクリックで拡大)

商標を“断捨離”し、海外展開を見据える
「ゆかりや姉妹商品、瀬戸風味などの商標はしっかり管理しながら、不要な商標を手放す判断、いわば商標の断捨離を進めています。(後略)

長く愛されるビジネス基盤を築こう 商標活用とブランディング | 特許庁広報誌「とっきょ」

三島食品は、日本人なら誰もが知っているだろう「ゆかり」を製造・販売している会社だ。

ご飯にかけるゆかりの商品画像画像引用元:文章と同じ(画像はクリックで拡大)

ゆかりも有名になりすぎ、一般名詞化するリスクをはらんでいる。しかし、下の点で一般名詞になることはないと思われる。

  • ふりかけで「ゆかり」というネーミングは、明らかに同社が独自で考え出したもの
  • そもそも「赤じそのふりかけ」自体が、開発当時誰も食べないものであったこと

三島食品は「ゆかり」という名前だけでなく、「赤じそのふりかけ」という食文化自体をゼロから生み出した。そのため、どれだけ有名になって一般名詞化しても、同社の商標権が消える可能性は低いといえる(同社の赤紫蘇ふりかけのシェアは約9割である)。

ナカイの窓…人生・社会の全般に用いる例(サービスなど)

ナカイの窓・公式サイトのキャプチャ画像引用元:ナカイの窓(画像はクリックで拡大)

これは、人気タレントの中居正広さんの冠番組として好評を博していた、フジテレビの『ナカイの窓』が好例である。この番組は「世の中にある無駄な物・いらない物を断捨離していく」もの。具体的に何を断捨離するのかは、実際の内容を見るとわかる。

2018年10月03日(水)の放送内容

滝沢カレンさん 公式サイトのキャプチャ画像画像引用元:滝沢カレン・公式サイト(スターダストプロモーション制作1部)

あくまで一例だが、この日の出演者さんが「断捨離すべき」と提案したものは、以下のものだ。(参考

タレント(敬称略) 「断捨離すべき」と感じるもの 分類するなら
中居正広 呼び方を変える人 人としてのあり方・行為?
近藤春菜 人気アイスキャンディーの、たくさんある種類 物・サービス・戦略?
滝沢カレン 洋服屋さんの声かけ サービス・人間関係?
モーリー・ロバートソン 飲食店で出される水 物・サービス?
山里亮太 事務所に不思議なキャラをつけられたタレント 戦略・コンテンツ・人間関係?

これを見ると、もう「何でもあり」というのがわかるだろう。

ヒャダインさんの公式サイト・キャプチャ画像画像引用元:前山田健一/ヒャダイン・公式サイト(スターダストプロモーション)

特に人気だった回では、下のようなものもあった。(参考

タレント(敬称略) 「断捨離すべき」と感じるもの 分類するなら
バカリズム 男性用パンツの窓 サービス・パーツ・構造?
山里亮太 収録中のADの「少々お待ちください」 気遣い・コミュニケーション?
ヒャダイン 「さいとう」という名字の漢字のバリエーション 苗字・情報・文字?
中居正広 不祥事を叩きすぎるワイドショー出演者 人&仕事人としてのあり方・人材?
陣内智則 無理やりな電話番号の語呂合わせ サービス・工夫・営業戦略?
バカリズム アイドルの長すぎる自己紹介 コミュニケーション・情報・戦略?
中居正広 東急ハンズ渋谷店の、出口まで運んでくれるサービス…は要る サービス・コミュニケーション

この回は特に評判が良かったのか、番組が打ち切りになった際の報道でも、以下のようにメディアで紹介されていた。

『アイドルの長すぎる自己紹介』や『「サイトウ」という苗字の漢字のバリエーション』までズバズバ切り捨てていく内容が好評で、(後略)
『ナカイの窓』が「断捨離」使用でトラブル、終了にも影響か(NEWSポストセブン)

ここで紹介した2つの回を見ただけでも、断捨離という言葉を「あらゆる場面で使える発想」と、視聴者が受け入れていたことがわかるだろう。

(このコーナーは『ナカイの窓』の中でも特に人気で、視聴率は10%を超えていた)

特許庁が断捨離を「社会に定着し、一般的に通用する語」とした

特許庁の建物画像引用元:アクセスと入館案内について(特許庁)

「断捨離は一般名詞か」という議論について、特許庁は「社会に定着し、一般的に通用する語」という立場を示している。以下の審決である。

しかしながら、「断捨離」の語が、最初は、山下英子氏が提唱するものであったとしても、2010年にユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた後には、「断捨離」の語は、「執着を捨てることを旨とする片づけ術の標語。断つ、捨てる、離れる。」ほどの意味合い(実用日本語表現辞典:乙13)を表すものとして、新語・流行語として社会に定着し、一般的に通用する語として使用されているといえるものである。
取消2016-300860(商標審決データベース)

平たくいうと「ほぼ一般名詞」という立場を、特許庁が示したといえる。

これは何の審決か?

Dan-Sha-Ri GINZA公式サイト画像引用元:Dan-Sha-Ri GINZA

上の画像の「Dan-Sha-Ri GINZA」というブランド買取店について、やましたさんサイドが「この商標の登録を取り消してほしい」と、特許庁に請求したものだ。もちろん「断捨離」と似ているためである。

結果、この請求は却下された。簡単にいうと、やましたさんサイドが「負けた」形である。今もこの「Dan-Sha-Ri GINZA」の商標は維持され、営業も継続している。


この審決の難しいところは、こうして「ほぼ一般名詞」と言われるぐらいに広めたのは、やましたさんの功績という点だ。もちろん、考案者が沖氏であり、ヨガや仏教の2000年程度の流れを汲んでいる思想である以上、特許庁の判断や「Dan-Sha-Ri GINZA」の営業活動も正しい。

誰が正しい・間違っているということではなく「商標とは何か、一般名詞とは何か」という事例の、一つの参考としていただけたらと思う。

もう一つ、特許庁の判断

商標審決データベースのサイトキャプチャ画像引用元:下の文章と同じ(画像はクリックで拡大)

上記の審決で、特許庁はもう一つの説明をしている。以下の内容だ。

また、山下英子氏が複数の著書を出版しているとしても、該書籍の作成部数、販売部数及び販売地域等の販売実績に関する立証がない上、本のタイトル(題号)として使用されており、商標的使用ともいい難いものであるから、該書籍の出版の事実のみをもって、「断捨離」の語が、山下英子氏を直ちに想起させるものとして著名であると認めることはできない。
取消2016-300860(商標審決データベース)

太字部分のように「断捨離と聞いて、人々がやましたさんをすぐに思い浮かべるほど有名とはいえない」という見方を示している。ただ、これは「やましたさんが無名」ということではなく「断捨離という言葉が有名になりすぎて、一般名詞と思われてしまった」という、逆のパターンである。「成功しすぎた」といってもいい。

書籍の部数については、ダイヤモンド社の公式サイトなどで、以下のように数字が出ている。

ダイヤモンド社の該当記事のキャプチャ画像引用元:親子関係こそ、“断捨離”しなさい。累計300万部超!【断捨離】やましたひでこと…(略)クリックで拡大

こうした数字を審決のときに持ち出せていたら、結果も変わっていたかもしれない。

由来…ヨガの行法(仏教とも共通する)

断捨離の由来は、ヨガの行法である。「断行・捨行・離行」というもので、特に離行は沖正弘氏の造語である。断行と捨行は、古くから仏教でも重要な思想・修行となっていた。

ヨガの「断行・捨行・離行」とは

簡単にまとめると下のようになる。それぞれ別の段落で詳しく解説する。

断行

断食する釈迦の像画像引用元:断食(なるほど法話・海潮音)(画像はクリックで拡大)

何かを断つ修行・生き方。断食・断性・断家庭など。捨行より「物理的な行動」が多い。断行の詳細

捨行

執着している願望・持ち物・人間関係などを捨てる行い・生き方。断行より「精神的な行動」が多い。捨行の詳細

離行

さわやかなファッションの龍村修さん画像引用元:龍村式指ヨガとは(縁トラディショナルライフスクール)

ここは定義が揺れている。沖氏の定義も時期によって異なる。近しい弟子の龍村氏(写真)は「捨行は離行でもある」=「捨行は離行と同じ」としている。離行の詳細

断行とは

釈迦苦行像画像引用元:大乗仏教の発生(東京大学仏教青年会)クリックで拡大

ヨガの断行とは「何かを断つ」修行。断食・断性、断財、断家庭・断社会など、内容はさまざまである。同じ発想は仏教でも見られ、こちらは断眠(止暇断眠)や断穀(穀断ち)などの修行がある。断穀は道教でも見られる修行である。

修行として「何かを断つ」ことは、キリスト教・イスラム教などのあらゆる宗教で見られる。そのため、ヨガだけに限られた思想・行法ではないといえる。断行の具体例は、下のようなものがある。

断行の呼称 修行の内容
断食 食べない
断性 性行為をしない
断財 お金を稼がない
断家庭 家庭を持たない(出家)
断社会 社会と関わらない(独居瞑想)

これは龍村修氏の説明でわかる。

瞑想する龍村修さんの写真画像引用元:龍村修のヨガと瞑想の夕べ(こくちーず)クリックで拡大

断食、断性、断財、断家庭(出家)、断社会(独居冥想)があります。
(中略)
(沖道場は)典型的な断行として断食を行っていました。単に食べないことではなく、その行を通じて食べたいという心の勝手な動きを断つ「断心」を行い、自分の食習慣を変え、心の習慣的動きを捉えていく練習をするのです。
執着や未練を手放そう!「断捨離」3つの行法とは|龍村修氏にインタビュー(2ページ目)| ヨガジャーナル

仏教にも同じく「断つ修行」がある。

断眠 眠らない(止暇断眠=しかだんみん)
断穀 穀物を食べない(穀断ち)

断穀については、仏教では主に「穀断ち」と呼ばれ、道教で「断穀」と呼ぶとされる。↓

道教にも「断穀(辟穀)」といって同様に穀物を食べない修行がある(後略)
穀断ち(Wikipedia)

止暇断眠

本光寺 公式サイトのキャプチャ画像画像引用元:下の文章と同じ(画像はクリックで拡大)

止暇断眠(しかだんみん)とは…
「暇(いとま)を止め、眠りを断つ」と読み、昼の休息や夜の睡眠をなくしてまでも精進、努力する態度をいう。

止暇断眠(日蓮宗・法華道場 本光寺)

このように「断行」はヨガでも盛んだったが、仏教や道教でも同じように盛んに追究されてきたことがわかる(もちろん、文化の優劣を競うようなものではないので、どちらがどれだけ盛んに追究していようとかまわないとは思うが、歴史的な情報として)。

捨行とは

捨行とは、自分が執着している事物を捨てる行い。これは下の龍村氏の説明でわかる。

捨行というのは、自分の願望やこだわり、あるいは持ち物など自分の一部だと思っていることや物を捨てる行法。
執着や未練を手放そう!「断捨離」3つの行法とは|龍村修氏にインタビュー(2ページ目)| ヨガジャーナル

龍村修さんのポートレート画像引用元:執着や未練を手放そう!「断捨離」3つの行法とは|龍村修氏にインタビュー(1ページ目)|ヨガジャーナル

具体的な捨行の例は?

龍村氏は「歴史に残る捨行」として、釈迦の出家のエピソードをあげられている。

釈迦出家像画像引用元:釈迦出家像(弥勒堂)クリックで拡大

釈迦が王族の生活や妻子を捨てて出家したエピソードである。確かに「何かを捨てた」事例では、世界史の中でも特に有名なものといえるだろう。

沖正弘氏はどう説明されたか

これも同じインタビューで、龍村氏が解説されている。

沖正弘先生は著書「捨の心」の中で、こう仰っています。
(ここから、沖氏の著書の引用)
捨の心とは求めぬ心である。離れた心である。忘れた心である。気にかけぬ心である。ひっかからない心である。執着せぬ心である。そのまま受け取る心である。

沖先生のメッセージを、箇条書きで整理するとこうなる。↓

  • 求めない
  • 気にかけない
  • 引っかからない
  • 執着しない
  • 離れる
  • 忘れる
  • そのまま受け取る

良い意味で「特別なことではない」といえるだろう。

捨行は離行でもある

先ほど、沖氏のメッセージの中に「離れる」という言葉が出てきた。これを見てもわかるように「捨行と離業は共通する」部分がある。

龍村氏も、ここまで紹介したインタビューの中で、下のように語られている。

「捨行」は目に見える物だけでなく、自分の地位や立場にも言えること。そしてそれは「離行」でもあります。

では、離行の定義はどうなるのか。龍村氏の解説を続けて見てみよう。

離行とは

ここまでと同じインタビューで、龍村氏はこう言われている。↓

離行とは、家や家族、会社、自分のいるコミュニティから離れることで、その中にいたら気づかなかったことに気づくこと。そしてとらわれのない自由なものの見方、考え方、生き方ができる自分を育てることです。

太字部分は「ゴール」というべきものである。

  • 断=インプット遮断
  • 捨=アウトプット促進

のような「行動」ではない。そのため、龍村氏の説明も、沖氏・やました氏が言われているのと同じ「離=ゴール」である。ただ「捨と似ている」(捨までやった時点で離にもなる)ということを、氏は説明されている。(「離行でもあります」という言葉から)

仏教で釈迦の時代から続く「断捨」

文藝春秋の表紙画像引用元:文藝春秋 2011年7月号(フェデリコ書房)

大谷大学の仏教学教授・兵藤一夫氏は、『文藝春秋』2011年7月号で、断捨離や捨行について下のように言及されている。

最近、「断捨離」ということが注目されている。(中略)これはインドのヨガにおける考え方に基づいて言われ始めたようであるが、仏教においても、「煩悩を断ずる」、「ものを喜捨(布施)する」、「執着を離れる」などと言われて、重要な語である。中でも「捨」という語は仏教において大切なあり方の一つである。
捨 | 生活の中の仏教用語(大谷大学)

  • 「断・捨・離」という発想は、仏教にもあった
  • 特に「捨」は、仏教の重要な思想の一つである

ということを書かれている。ここから「断捨離」という発想と仏教が「仏教の専門家から見ても近しい」ことがわかる。と同時に、仏教関係者の方も(当然ながら)、断捨離という言葉に対して「ヨガでなく仏教の発想である」などと主張されることなく、受け入れられているのがわかる。

「捨は仏教の発想であって、ヨガの発想じゃないよ!」などと言い出したら、それこそが「捨ではない」ので、仏教・ヨガのどちらの世界の方にとっても、これは「当然すぎるくらい当然のこと」といえるかもしれない。
仏教の「捨」とは?

仏教の「捨」とは、事物にこだわりを持たない平静な心。パーリ語のウペッカーに由来する。以下のように、多数の徳目に含まれる、仏教で特に重要な思想・行法である。

四無量心 四慈・悲・喜・
覚支 択法、精進、喜、軽安、、定、念
三受 苦、楽、

【参考】Wikipedia「捨(仏教)」

断行・捨行に「離行」を合わせて、断捨離という言葉を生み出した

青いTシャツで笑顔の龍村修さん画像引用元:龍村ヨガ研究所

これは、龍村修氏(写真)が『伝説のヨガマスターが教えてくれた 究極の生きる智恵』(龍村修・やましたひでこ/PHP研究所/2013年)で、下のように語られている。

ちなみに「断捨離」という言葉は、沖ヨガの本以外では出てこなかった言葉です。仏教の中には「断行」「捨行」といった言葉は出てきますが、それらをまとめて「断捨離」と言っているような文献は見たことがありません。沖先生の造語だと思いますし、また先生はそこに独特の意味をつけていました。
P.115/4段落目

「伝説のヨガマスターが教えてくれた 究極の生きる智恵」の表紙画像画像引用元:伝説のヨガマスターが教えてくれた 究極の生きる智恵(PHP研究所・公式ページ)クリックで拡大

考案者…沖正弘

和服の沖正弘先生画像引用元:沖正弘先生写真館(沖正弘資料館)画像はクリックで拡大

断捨離の考案者は、沖正弘氏である。やましたひでこ氏ではない。世間が誤解しているが、ご自身が考案者でないことを、やました氏自身が、あらゆる公の場で発言・承認されているのだ。

当のやました氏が「自分は考案者ではない」という旨を公に発信されているので、その点が社会に今一歩、正確に伝わればと思う。

筆者は生前整理という片付けの世界に深く関わる人間であり、この分野を特に大きく発展させた大家であるやましたさんのことは大変リスペクトしております。

今後、この記事でも他の記事でも、断捨離に関わる部分で、読者の方々やお客さまにとって不自然でない部分では、やましたさんのご著書やご活動を、紹介させていただきたいと思っております。

この記事はあくまで、歴代のヨガ行者・仏教徒・沖正弘先生・そしてやましたさんの業績が正しく理解されるように執筆したものです。

「片付けに応用した断捨離」の考案者は、やました氏である

これについては、明らかにやました氏が考案者である。

  • 人生全般におよぶ断捨離…沖氏
  • 片付けに応用した断捨離…やました氏

が、それぞれの考案者である。

※やました氏の「断捨離」のインパクトは強すぎたので、人々が「考案者」と勘違いしてしまうのも無理はない。これは、カバー曲が凄すぎて原曲を勘違いされる例と似ている。

沖正弘先生のプロフィール

1921年~1985年。日本のヨガ指導者・思想家。日本のヨガの草分け的指導者として活躍し、今日のヨガブームの基礎を築いた。ヨガ関連の書籍を多数執筆している。

【参考】沖正弘(Wikipedia)

1976年に沖氏が出版した書籍

これは『ヨガ総合健康法(上): 沖ヨガの考え方と修行法』(1976年11月/致知出版社)である。(出版年月などはAmazonで確認

書籍「ヨガ総合健康法」の表紙画像引用元:ヨガ総合健康法(上)沖ヨガの考え方と修行法(モズブックス)

この書籍で、下のように「断捨離」が登場する。

ヨガにはこの執着を除く方法として、断捨離行法と修正行法と瞑想行法とがあり、三つをあわせて浄化行法(クリヤヨガ)、またはアカルマ(無業)行法という。断食、断性、断財、捨家庭、離社会、放下心などである。
P.196 6行目

和服で合掌する沖正弘先生画像引用元:初代会長・沖正弘師(NPO法人沖ヨガ協会)

1つ目の太字の「断捨離行法」に加えて、2つ目の太字で「断行・捨行・離行」の具体的な内容が書かれている。

しかし普通生活を続けながら断捨離を行なうことは、よほど意志の固い人でもむずかしいことである。思う存分自分自身と対面し、自分の過去と対決して断捨離行法を完全に行なうために、昔から宗教的な道場があり、一生それを行なおうとする人が出家をする。
P.196 2段落目の1行目

上記では「断捨離行法」ではなく「断捨離」という単語が登場している。おそらく、これが「広く世に向けて発表されたコンテンツ」としては、初出になると思われる。

だから、慢性病から救われるためには、この癖と慣れを断ち切る行法を行うことが必要であり、この行法を断捨離行法および修正行法という。断食がこの方法の一つである。

沖氏が「断捨離」という言葉を用いた、4冊の書籍

一覧にすると下のとおり(当記事内の、それぞれの段落にジャンプする)。

なぜヨガで病気が治るのか: ヨガ総合健康法

画像引用元:『なぜヨガで病気が治るのか』(Amazon)

しかし不自然因(罪業即病因)が身についているかぎり、この業がブレーキになるので治る力があっても治らないのである。この業因をのぞく方法が、断捨離を基本とした修正行法(別書に詳記)である。
『なぜヨガで病気が治るのか』P.7


断捨離行法をはじめとする各種の行法によってすべての業を活用することのできる自由人になる道(解脱)を求めるのがヨガの修行、すなわち訓練法である。

『なぜヨガで病気が治るのか』P.80

ヨガによる生きる喜びの発見

ヨガによる生きる喜びの発見画像引用元:白揚社・書籍紹介ページ(画像はクリックで拡大)

ヨガでいう断捨離の行法を行い、それに生理智と精神智を一致させてはじめて、心身の汚れを取り除くことができ、人間として健康に生きることができるのである。
P.36 後ろから2行目

断捨離行をすれば、自然に感謝心が生まれる。もともとないものだと思っていれば、額の如何を問わず手に入った金はありがたいものなのだ。
P.248 2段落目の最初の行

けっしてミスを犯すばかりの存在ではなく、大変重宝な存在に思える面がかならずあるはずだ。これが断捨離行であり、感謝心が生まれる過程である。
P.248 2段落目の5行目

人間としてどう生きるか: 運命のつくり主は自分である

「人間としてどう生きるか」の書籍画像引用元:Amazon(画像はクリックで拡大)

執着をとる行を断、捨、離の行法と言います。たとえば、断食行は食の癖を断つ修正行法です。「断」とは、癖をとるということです。この断捨離行を全生活を通じて行うのを、出家生活と言います。
P.36 後ろから3行目・4行目

提唱者…やましたひでこ

おしゃれなノースリーブのやましたひでこさんの写真画像引用元:「断捨離」やましたひでこ先生インタビューvol.1~出逢いを呼び寄せる「断捨離x恋愛」のススメ(Peachy)※ライブドア運営

断捨離という言葉を、現在のようにメジャーにしたのは、やましたひでこさんである。やましたさんのプロフィールは以下のとおり。

◆クラター・コンサルタント。
『断捨離』の言いだしっぺ

東京都出身&石川県在住。
早稲田大学文学部卒。

大学在学中に入門したヨガ道場で、心の執着を手放す行法哲学「断行・捨行・離行」に出逢う。

その後、この行法を、日常に落とし込み、片づけ術として、応用提唱する。

2001年より、クラター・コンサルタントとして「断捨離セミナー」を全国各地で展開。
断捨離@やましたひでこ(アメーバブログ)

青文字の「応用提唱」という言葉どおり、やましたひでこさんは考案者・提唱者ではなく「応用提唱者」である。

新・片づけ術「断捨離」

やましたひでこさんは、2009年にマガジンハウスから『新・片づけ術「断捨離」』を出版した。これがベストセラーとなり、断捨離という言葉が広く用いられるようになっていく。

新・片づけ術「断捨離」画像引用元:新・片づけ術「断捨離」

書籍の中では、断捨離について以下のように定義されている。

断捨離とは、この、「断」と「捨」を行うことで至る、モノの執着から離れ、軽やかで自在な状態(=離)と定義できます。
第1章―「断捨離」とは、”片付けない片付け方”―より

「離」については、やましたさんの師であられた沖氏の定義と同じである。「断」と「捨」については、やましたさんの方が「物の片付け」に対して主に用いている点が異なる。

2010年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネート

画像引用元:Amazon

『現代用語の基礎知識』が選出する「ユーキャン新語・流行語大賞」。やましたさんの著書の影響で、2010年には断捨離がノミネートされた。

・No.48待機老人
・No.49…脱小沢/親小沢/反小沢
・No.50…断捨離
・No.51…東京スカイツリー
・No.52年金パラサイト
第27回 2010年 授賞語(ユーキャン 新語・流行語大賞)

この「No.50」というのは50位という意味ではない。この年の大賞は「ゲゲゲの~」だったが、このノミネート番号は「13」である。2位の「いい質問ですねえ!」は「8」である。

ヨガの分野では広く知られていた

国際総合ヨガ協会のjパンフレット画像画像引用元:下記文章と同じ(画像はクリックで拡大)

断捨離という言葉は、もともとヨガの分野で広く知られていた。これは下の記述でわかる。

総合ヨガは生活ヨガ。合宿生活を通じ、幸せに生きるための方法を探ります。今回のテーマは、総合ヨガの創始者、沖正弘師の教え「断捨離」。特別講師に、ベストセラー「断捨離」シリーズの著者やましたひでこさんを迎えます。この合宿で、「断捨離」を生活に生かす知恵がきっと見つかることでしょう。

(中略)

ほかに、龍村修理事長の講演「沖導師の断捨離」、武藤吐無本部講師の講演「食の断捨離」、台湾沖道瑜伽会・江麗光理事長の講演、同・頼秋玉事務局長の「沖道式トリヨガ(フローヨガ)」指導などを予定しています。
【PDF】「断捨離・ヨガ 行法と哲学」NPO国際総合ヨガ協会 第4回全国合宿・告知リーフレット

まず1つ目の太字で、ヨガの世界では「断捨離=沖正弘師の教え」と認知されていたことがわかる。この時点で「いや、総合ヨガという分野だけでは?」と思うかもしれない。

しかし、沖氏は「日本のヨガ全体」のパイオニアの一人である。それは下の年表でもわかる。

国際総合ヨガ世界大会でスピーチをされる沖正弘先生画像引用元:国際総合ヨガ協会の始まり(NPO法人・沖ヨガ協会)

時期 当時のできごと・状況
平安時代 瑜伽(ゆが)と呼ばれる瞑想が中心のヨーガ
1919年 中村天風「心身統一法」
1940年代 三浦関造「ハタ・ヨーガ」
1958年 沖正弘ら「日本ヨーガ協会」設立
1966年 大阪大学名誉教授佐保田鶴治が「ヨーガ・スートラ」翻訳・解説
1970年代 第一次ヨーガブーム
綿本昇がエクササイズ要素を盛り込む
1980年代 第1回国際総合ヨーガ世界大会開催。フィットネス界にヨーガが進出
1990年代 第二次ヨーガ・ブーム
1995年 オウム地下鉄サリン事件をきっかけに人口が激減
2003年 ハリウッドセレブを中心とした世界規模のブームが伝わる
2003年 木村慧心「日本ヨーガ療法学会」設立。ヨーガの健康効果を科学的に検証
2004年 日本最大級のヨーガイベント「ヨーガフェスタ」開催
2010年代 ヨーガ人口が100万人以上に、ヨーガ専門雑誌「ヨギーニ」「ヨガジャーナル日本版」「YOGAYOMU」創刊

【引用元】ヨガの発祥と歴史(一般財団法人 全日本ヨガ協会)

太字のとおり、沖氏が登場している。

  • 1950年代の最大の出来事として取り上げられている
  • ↑(50年代唯一の内容なので、そう言っていいだろう)
  • 「日本ヨーガ協会」を、沖氏が(代表となって)設立している

この2点から「沖氏は日本のヨガの歴史で、特に重要だった人物」といえる。さらに「日本のヨガの父」とする記述もある。

ナチュラル・ヴェーダさんの公式サイトキャプチャ画像画像引用元:Natural Veda(画像はクリックで拡大)

1958年…日本のヨガの父と言われ、沖ヨガ創始者である沖正弘らが「日本ヨガ協会」を設立
日本のヨガの歴史(一般社団法人ナチュラルヴェーダ)

このように、沖氏は「日本のヨガの歴史を代表する人物」であった。その「沖氏の教え…断捨離」と、NPO国際総合ヨガ協会が、イベントのリーフレットに明記していたのである(そして、8年以上経過した今も、PDFとしてWEB上で見られるようになっている)。

やましたさんは、このセミナーのメイン講師だった

このセミナーでは、やましたさんもメイン講師として登場されている。

やましたひでこさん画像引用元:上の文章と同じ(画像はクリックで拡大)

つまり「断捨離は沖氏が考案し、ヨガの分野で広めていた」ことを、やましたさんも受け入れられていたわけである。この時点で、沖ヨガの指導歴35年というベテランのお弟子さんだったため、それも当然といえる。このように、

  • やましたさんご本人も、ご自身が「断捨離の考案者」とは思っていなかった
  • ↑(このセミナーの出演を受けられた時点で、そう言える)
  • しかし、やましたさんの著書をきっかけに一般に広まったため、世間が「考案者」と勘違いしてしまった

ということではないかと考える。ただ、「片付けを中心とした」現代的ライフスタイルとしての断捨離だったら、やましたさんは「考案者」といえる(沖先生は「片付け」をメインにはされなかった)。

そのため、たとえば下記の「GetNavi web」の記事のように、(現代的)ライフスタイルとしての断捨離の特集で、やましたさんを「断捨離の考案者」とするのは間違っていない。

ライフスタイル:「断捨離」考案者 やましたひでこが旅に出て振り返った「日常の暮らし」(GetNavi web)

逆に「人生全般に通じる、根本的な断捨離」の考案者は、沖正弘先生である。これは上で説明したとおり、やましたさんも公に認められていることである。

やましたさんのプロフィールの「応用提唱」という表記

やましたさんは、これまでに多数の講座を開講し、DVDなどの教材も販売されてきた。そのうちのごく一部を紹介させていただくと、以下のようになる。

いずれも、サイドバーのプロフィール部分に(断捨離を)応用提唱する、と書かれている。

やましたひでこさんの公式ページ 右サイドバーのキャプチャ画像引用元:断捨離マスタープログラム(上記)

つまり、考案者や最初の提唱者ではなく「応用提唱者である」ということは、やましたさんご自身が認められ、広く発信されていることである。

「考案者…沖氏、応用提唱者…やました氏」という構図は、やました氏が著書で認められている

ヨガのブロガーさんが撮影された書籍の写真画像引用元:「伝説のヨガマスターが教えてくれた究極の生きる智恵」(瞑想以前。)

なお「沖氏が考案し、やました氏が広めた」という図式は、龍村修氏との共著の中で、やました氏ご本人も認めている。書籍の中で、龍村氏が下のように発言されている。

ですから「断捨離」は、沖先生が言い始めて、やましたさんが広めていった言葉だと思います。
『伝説のヨガマスターが教えてくれた 究極の生きる智恵』P.115/4段落目

なお、この龍村氏の説明はWikipediaとも共通する。

Wikipedia「断捨離」

カバーが凄すぎて、オリジナルと勘違いされる事例

音楽では「カバー曲が凄すぎて、オリジナルと勘違いされる」例が多くある。日本人の場合「君の瞳に恋してる(Can’t Take My Eyes Off of You)」が典型例だろう。

カバー曲は下のものだ。特にサビの前の間奏(※動画が再生します)を聴くと、ほとんどの人が「ああ」と思うだろう。

上は、ボーイズ・タウン・ギャング(動画のメンバー)によるカバーなのだ。オリジナルは下の曲である。

フランキー・ヴァリ(Frankie Valli)の原曲だが、海外では割と有名である。しかし、日本ではほとんど知られていない。原曲の方が「ジャズバージョン」などと勘違いされるだろう。

(ちなみにこの曲はカバーも含め「20世紀のアメリカで最もオンエアされた曲」の5位である)。

【参考】BMI Announces Top 100 Songs of the Century

やましたさんの「断捨離」も、このように「カバーのインパクト」が強すぎた。そのため「考案者」と勘違いしてしまう人が多いのも無理はない。

ただ、繰り返し書いているとおり、やましたさんご本人が「自分が考案者ではない」ことを、度々公式にアナウンスされている。やましたさんのためにも、私たち世間の側が、誤解しないようにしたい。

商標権…7の個人・法人で11件登録(2件は読みのみ)

2019年11月12日現在「断捨離」を含む商標は、以下のものが登録されている(審査中・出願中のものは除外。存続中のもののみ)

商標 登録番号 権利者
断捨離 4787094 山下 英子
断捨離 5412928 山下 英子
断捨離ガーデン 5418416 株式会社アイビー・ガーデン
断捨離オフィス 5418530 株式会社ネクステージ
断捨離 5582468 山下 英子
断捨離 だんしゃり 5606900 銀座急送株式会社
断捨離ヒーリング 5840590 飯田 富和子
断捨離 5909022 山下 英子
断捨離 5948115 山下 英子

また、読みが「ダンシャリ」の商標として、下記の2件もある。

Dan-Sha-Ri GINZAの公式サイト・キャプチャ画像画像引用元:Dan-Sha-Ri GINZA(画像はクリックで拡大)

商標 登録番号 権利者
Dan-sha-Ri 5686472 株式会社VALS NEXT
断捨リノベ 6192107 服部 純也

「断捨離 だんしゃり」と「Dan-sha-Ri」は、やました氏のサイドが、商標登録の取消を特許庁に請求し、却下された事例がある(簡単にいうとやました氏サイドが負けた)。

引越し+断捨離のサービスのキャプチャ画像画像引用元:引越し+断捨離®(暮らしのネットワーク)※クリックで拡大

断捨離 だんしゃり 取消2016-300671
Dan-sha-Ri 取消2016-300860

ほとんどの方は、審決を読んでも「長文すぎてよくわからない」と感じるだろう。そのため、要約された弁理士さんのブログ記事の説明を引用させていただく。

「Dan-sha-Ri」について」

簡単に説明すると、本件の商標権者は、「ブランド買取Dan-Sha-Ri-銀座-」というサービスを提供する会社に対して
『登録商標「Dan-sha-Ri」に類似する商標を使用して、登録商標「断捨離」に係る業務と誤認混同を生じさせている』という理由で商標登録の取消しを請求し、そして負けています。
(つまり、「Dan-sha-Ri」商標の登録が維持されている)
断捨離®が狩られている理由(独学の弁理士講座 -弁理士内田浩輔監修-)※該当の段落に直接ジャンプ

「断捨離 だんしゃり」について

実際、権利者は、上記の「Dan-sha-Ri」の他に、銀座急送株式会社が所有する登録商標「断捨離 だんしゃり」(商標登録第5606900号)に対して、不使用取消審判(取消2016-300671)を請求しています(権利者が負けて登録は維持されている)。
断捨離®が狩られている理由(独学の弁理士講座 -弁理士内田浩輔監修-)※該当の段落に直接ジャンプ

このように、やました氏サイドの請求は却下されたが、氏が断捨離という言葉を広めた実績は、極めて大きなものである。断捨離がここまで普通名詞のように広まったのは、氏の書籍やセミナーがわかりやすく魅力的だったということが、大きな理由であろう。

「やましたひでこ断捨離塾」公式サイトのキャプチャ画像画像引用元:やましたひでこ断捨離®塾(画像はクリックで拡大)

そのため「セミナーや教材、動画などで断捨離をアドバイスする」など、やました氏の活動に近い内容では、断捨離という言葉を用いるべきではない。権利の問題もあるが、氏の功績への配慮としても、そうすべきであると考える。

当記事ではこのような理由から、やました氏の公式サイトやテレビ番組なども積極的に紹介させていただく。

「書籍タイトル」に使えるか

「ビジネスパーソンのための断捨離思考のすすめ」の書籍画像画像引用元:ビジネスパーソンのための断捨離思考のすすめ(紀伊國屋書店)

これは使える。以下のように多くの書籍が出版されている。著者はもちろん、全てやました氏以外の方である。

「シルバー川柳の表紙画像」画像引用元:シルバー川柳6 断捨離でうっかり夫捨てそうに(Amazon)クリックで拡大

個人的には、上の画像の川柳が面白かった。本来の断捨離は、このように肩の力が抜けているもののような気がする。

「テレビ番組」に使えるか

内容によるとは思うが、おそらく難しい。やました氏がレギュラーとして出演する、BS朝日の番組があるためだ。

「ウチ、断捨離しました」の公式サイト キャプチャ画像画像引用元:ウチ、断捨離しました(BS朝日)(画像はクリックで拡大)

「断捨離が見つけた宝物」

YouTube上で見られるBS朝日の番組で『断捨離が見つけた宝物』という番組もある。2019年11月12日時点で、一番再生回数の多いものは、以下の回だ。

この番組に登場する女性は、断捨離歴・年齢・家族構成などバラエティ豊かであるため、特に女性の断捨離で参考になるだろう。やました氏が監修をされているので、断捨離のメソッドに触れる場面も、的確な内容であると思われる。

(すべての動画一覧は、下のリンクからご覧いただきたい)

【YouTube】断捨離が見つけた宝物・動画リスト(BS朝日公式チャンネル)

やました氏のYouTubeチャンネル

やました氏も公式のYouTubeチャンネルを持たれている。トップに固定されている動画は以下のものだ。

更新は3年前で止まってしまっているが、断捨離の第一人者であるやました氏の語る内容には、一聴・一見の価値があるだろう。

YouTubeで使えるか

内容によるが、チャンネルでなく「個別の動画」のタイトルであれば問題ないと思われる。下の動画は、UUUMに所属するRasp berry(らずべりー)さんのものだ。

タイトルに「断捨離」が入っており、動画内でも「断捨離」を連呼している。これで「問題ない」と判断できる理由は、下の2点だ。

  • 投稿日が「2018年12月31日」であること
  • UUUMが権利関係をチェックしている(はず)

UUUM公式サイトのキャプチャ画像引用元:UUUM(画像はクリックで拡大)

UUUM(ウーム株式会社)は東証マザーズの上場企業である。当然法律に精通しており、そのように信頼性の高い企業のチェックが入っているのであれば、おそらく「動画タイトルはOK」なのであろう(もちろん、最終的には内容による)。

50代の終活で断捨離が重要な3つの理由

終活について相談するシニア夫婦

精神面 人生で大事なものを絞る必要がある
能力面 体が自由に動くうちにする方がいい
健康面 突然死のリスクも上昇する

精神面…人生で大事なものを絞る必要がある

物を捨てることは「何かの価値観を捨てる」ことでもある。

  • 野球のグローブを捨てる…野球を辞める
  • ギターを捨てる(売る)…音楽を辞める

もちろん、買えば再開できる。しかし、今より難しくなるのは確かだ。

断捨離で物を捨てるときは、そのまま「人生で大事なものを絞る」必要がある。

50代から先の選択肢は限られている

例外として70代で演歌歌手としてデビューした石塚ひろしさんのような例もある。しかし、石塚さんは若い頃から歌がうまかった。定年後などにゼロから始めたわけではない。

つまり、50代から新しい道を志してもいいのだが、それは「若い頃に積み上げたものの延長線上」でなくてはならない。「ならない」ということはないが、その方が有利だ(と、当の50代の方々が一番実感されているかと思う)。

もともと断捨離の「捨…捨行」とは、物を捨てるという意味ではなく、価値観や不要な人間関係など「自分がとらわれているものを捨てる」という意味だ。50代の終活で「価値観を絞る」というのは、この語源とも一致する。

能力面…体が自由に動くうちにする方がいい

片付けとしての断捨離には、それなりの体力が要る。力仕事もあるし、特に生前整理なら、手続きで走り回ることもある。

これらの仕事は、60代になるとさらに難しくなる。体力はもちろん、視力まで落ちてくる。50代で面倒なら「60代はもっと面倒」と考えてほしい。

(ただし時間の面では定年退職した後の方が楽である)

健康面…突然死のリスクも上昇する

最近は50代でも昔の30代くらい健康なので、あまり心配する必要はない。しかし、健康な方でも、特にアクティブにスポーツされる方が突然死されてしまうことはある。

有名なのは高円宮憲仁親王様だ。47歳で、スカッシュの練習をされていた際、突然の心不全でお亡くなりになられてしまった。

突然死されてしまえば、遺族の方々は悲しむし、物理的・事務的にも負担がかかる。ご本人が終活を何もしなかった理由が「縁起でもないから」というものだったとしたら、誰よりご本人が「申し訳ない」と思ってしまうだろう。

東日本大震災で唯一、死傷者・行方不明者がゼロだった町

「縁起でもない」ことを考えるのは大切だ。その好例が、岩手県の洋野町(ひろのちょう)の事例である。

洋野町は、東日本大震災で津波が直撃した岩手県の沿岸にある町だ。しかし、津波を受けた東北3県で唯一、死傷者も行方不明者もゼロだった。

これは「あまちゃんの町の奇跡」とも呼ばれている。同町はNHK朝ドラ「あまちゃん」の舞台にもなったためだ。

洋野町の被災を伝える写真画像引用元:東日本大震災 死傷者ゼロだった「あまちゃん」の町の奇跡(フォーブス・ジャパン)

洋野町は、津波リスクが極めて高い場所にある。にもかかわらず、防潮堤や保安林など、あらゆる防災設備がなかった。

そのため、住民の方々全員に危機感があった。「危険な場所なのに丸腰」ということを皆が自覚していたため、普通の自治体ならおろそかにされる防災教育が、真剣に行われていた。

どの自治体より「縁起でもないこと」を考え続けていたから、悲劇をもっとも避けられた自治体となった。縁起でもないことは「むしろ考えるべきである」ことが、この事例からも読み取れるだろう。

50代は断捨離しない方がいい?批判派の3つの主張

家族とトラブルになるから

50代に限らず、すべての年代で主張される理由だ。捨てなくても「捨てよう」と提案しただけで怒られるということは、確かにある。

年金生活になると新しいものを買えないから

特に「貯金が少ない家庭」で多く見られる主張だ。確かに、今の年金制度はもう当てにならない。「定年退職後に新しいものを買う」というのは、昔より難しくなった。

そのため、経済的に不安のあるご家庭なら「捨てたら二度と買えないから」という理由で、断捨離をしないのは正しい。逆に、そうした不安のない家庭なら断捨離を適度に行うべきだ。

今までやらなくても50年間平気だったから

「50年以上問題なくやってきたのだから、今のままでいい」という考え方だ。確かに一理あるが、周囲も「これでいい」と思っているかはわからない。

  • 平均的な同世代と比べて健康か
  • 同じく平均的な家庭と比べて部屋は綺麗か

という点を「客観的に見る」必要がある。もちろん「健康」や「綺麗」に平均はない(わかりやすくするために「平均」という言葉を用いた)。

同世代より健康で部屋もきれいなら、無理に断捨離をする必要はない。そうでないなら、検討した方がいい。

「今までこれで良かったのだから大丈夫」というのは、いわゆる「老害」の代表的な原因だ。こうした「現状維持バイアス」は、年齢が上がるにつれて強まっていく。老害になりたい人などいないはずだから、脳や肉体が元気で、自身を客観的に見られるうちに断捨離の要不要を判断したい。

妻がしてはいけない断捨離(捨てるとトラブルになる物)

「やってはいけない断捨離」の中でも、妻独特のものは「夫関連」だろう。ここでは、夫の物で「捨てるトラブルになる物」を解説する。

置いてあるだけで、夫自身も全然使っていない物

これは夫に限らず、誰でもある。「使ってないけどもったいなくて捨てられない」というものだ。

いわゆるサンクコストで、英仏政府が共同で大失敗した「コンコルドの誤謬」が有名である。こうした過ちは他人が見るとよくわかるのだが、当の本人は客観的になれない。

こうした不要物を捨ててはいけない理由

これは「夫の決断力のなさ」を「行動で批判する」ことになるためだ。夫も自覚しているかもしれないが「人に指摘されるのは嫌」なのである。認めるなら自分から格好よく認めたいのだ(何かの機会に)。

というわけで、上手くそういう流れに持っていこう。「いきなり捨てる」のはNGだ。

夫の思い出の品だが、汚くて臭い物

本人にとっては思い出の品だけど、汚くて臭い―。という物はよくある。「思い出」という時点で年代物だから「臭い確率」も物理的に上がるのだ。

典型なのは「古書」である。本にもカビが生える。男性がコレクションしたくなるような本は、大体古書なので、その点でも「臭い率」が高い。

女性もビンテージものを集めることはある。しかし、大抵臭くない。女性の方が男性より嗅覚が敏感なためだ。

妻にとっては「明らかに臭い」ものでも、夫は「臭い?どこが?」と真面目に思っている可能性がある。こうした違いも考慮しておこう。

(脳科学で有名な話だが、今あなたに見えている「赤色」と、他人に見えている「赤色」が、同じとは限らない。おそらく違う色が見えている)

物自体は普通だが「その中に何か入っている」物

「明らかに捨てていい」ものでも、その中に「何か入っている」ということがある。へそくりもあれば、たまたま入っていたこともあるだろう。

何にしても、入っていた物は大事な物だから、これはトラブルになる。これを防ぐには、やはり「勝手に捨てない」ことしかない。

まとめ

妻の断捨離でやってはいけないことを一言でまとめると、「夫に無断で物を捨てる」という一言に尽きる。勝手に捨てない限りは、基本的に大きな問題は起きない。

主婦がやってはいけない断捨離とは?

理想の生活を過度に追求する

通常、女性は男性より「理想の部屋」を目指す。男性も目指すことはあるが、何となく「秘密基地」のようになる。フィギュアや音楽などの「マニアの部屋」だ。

実際、インテリアコーディネーターの約75%が女性だ。このようにインテリア好きの女性だが、それが過度の断捨離につながることもある。

モデルルームのような部屋は、逆にストレスが溜まることも

モデルルームは美しいが、現実の生活であの状態を維持するのは難しい。芸術家がものを作れば廃材が出る。同じように、人間が生活していれば「生活感のあるもの」が出てくる。

そこに毎回(毎分?)めくじらを立てていたら、家の中がギスギスしてしまう恐れもある。家族全員の趣味が断捨離なら、むしろイキイキするだろうが。

仏教にも「掃除地獄」という修行がある

床の雑巾がけをする僧侶

仏教には「三大地獄行」という修行ある。そのうちの一つが「掃除地獄」だ。小学生が言いそうな「地獄」だが、大真面目にあるのだ。↓

侍真は十二年もの間、浄土院の中から出ずに午前三時に起床して、読経・献膳・五体投地・仏教研究・境内掃除を続けます。
広い庭にほこりひとつ残さず、一切の殺生を禁じ、食事は献膳のおさがりの「一汁一菜」です。

比叡山三大地獄行(回峰地獄・掃除地獄・看経地獄)|東大寺公式サイト

お寺の境内は広い。あそこで「ほこり一つ落とさない」大変さは想像できるだろう。「落ち葉すらNG」というルールもあるようだ。

何のためにそんなことをするのか

実は、明確な答えがない。歴代の仏教者の中でも、こうした生活と「真逆」の道を行った人が多数いる。性的にも奔放だった一休宗純(一休さん)が好例だ。

仏教でなく道教(老荘思想)であれば「落ち葉など自然のままにしておけ」という(無為自然)。

このように、宗教家の中でも「きっちり生きる」ことに関して、真逆の価値観が存在している。そして、両方「紀元前から」拮抗している。つまり、最終的には「どっちを選ぶかは、ただの好み」なのだ。

とりあえず「モデルルームのような部屋」を目指すことは「掃除地獄」によく似ている。

間違ってはいないが「苦行」である

「完璧を目指す」気持ちは、掃除でも何でも悪くないのだ。ただ「苦行」である。掃除地獄も、僧侶たち自らが「三大地獄行」とまで呼んでいる。

「それでもやる」という何らかの理由があれば、それは非常にいいことだ。ただ、それは「家庭を壊してまですることだろうか?」ということは考えた方がいい。

※もちろん「断捨離=家庭が壊れる」ということではない。あくまで「自分の家がそうだったら」という話だ。

「家庭を持つべきでなかった」という人も、確かにいる

断捨離に限らず、いろいろあって「自分は家庭を持つべきでなかった」と感じる人もいるだろう。それも間違いではない。

何しろ、世界中の人々が2000年以上尊敬しているブッダが「家族を捨てた」のだ。有名すぎて説明不要だが、案外「家族というのは不自然なもの」なのかもしれない。今も昔も。

理想を追うと、人と衝突することが多くなる

断捨離でもブッダの出家でも、理想を追えば人とぶつかることが多くなるものだ。タモリさんの名言で「やる気がある者は去れ」という言葉がある。

これは「真面目な人間は物事の中心しか見えなくなるから良くない」という意味だそうだ(ご本人からお聞きしたわけではないので伝聞調)。

「中心だけ追ってはいけない」というのは、自然の摂理でもある。私たちは「カルシウム・ビタミン」という栄養素だけで生きているわけではない。それをやるのがサプリだが、サプリだけで生活していたら、当然死んでしまう。自然の食材に多数含まれる「まだ解明されていない無駄なもの」が必要なのだ(必要な時点で無駄ではないのだが)。

経済力がない状態で、使える物を捨ててしまう

「捨てた後、また必要になった時に買うお金がない」という人もいるだろう。これは、ゴミ屋敷の原因の一つでもある(経済的要因)。

実際、どちらが正しいかわからない。経済力が本当にないなら捨てない方がいい。昔の人は、そうして物を大事にしてきた。全員が「おしん」のように貧しかったからだ。

要は、こういう結論になる。↓

お金がある 捨てていい
お金がない 捨てるべきではない

若干切なくなるが「断捨離はお金持ちの趣味」ということだろうか。実際、芸能人などお金持ちの方々ほど「何もない」部屋に住んでいる。例外として、以下のお三方も見えるが。

本当に「庶民はすべきではない」のか?

こういう見方もあるだろう。↓

  1. 物を溜め込む
  2. 仕事ができなくなる
  3. だからお金がなくなる

実際そうかもしれない。仕事ができる人は「お金がない頃から決断が早かった」というケースが多い。

最終的には自己評価(セルフイメージ)の問題かもしれない。「自分は(うちは)もっと稼げる」という自信があれば、自然と「バンバン捨てる」ようになるだろう。

ストレスが溜まらない程度に上を目指すべき

何でもほどほどが良い。上を「目指しすぎる」のも良くないが、低い世界に「留まりすぎる」のも避けるべきだ。

ストレスが溜まらない範囲であれば、ちょこちょこ努力する方が多分気持ちがいい。アランの『幸福論』も「人間はむしろ労苦を喜ぶものだ」と、本の全体で繰り返し書いている。

「自分よりストイックな人」を見ると、そうは思えないだろう。しかし「自分より自堕落な人」を見れば、「確かに労苦は気持ちいい」と思うだろう。

「子供の物は勝手に捨てていい」と考える

これは主婦というより「母親がやってはいけない断捨離」だ。親は子供の持ち物について「自分が買ってあげたのだから、何をしてもいい」と考えがちだ。

たとえば世界的なバイオリニストの高嶋ちさ子さんは、お子さんのゲーム機を破壊したことをツイートし、それが炎上騒動になったことがある。高嶋さんはお子さんとの関係も良好だからいいが、普通の家庭だと問題が起きるかもしれない。

子供時代のショックは長く引きずられる

大人から見たら大したことがないものでも、子供にとっては宝物であることが多い。特に人形やぬいぐるみは、感受性が豊かな子供にとっては「友達」ということも多い。

クマのぬいぐるみ」を知っている人なら、納得できるだろう。「みんなのうた」で1987年~2017年まで6期に渡って放送された「隠れた名曲」である。↓

君はぼくをよくかんだ
そしてほおり投げもした
なのに泣き虫の君は
いつも死ぬほど抱きしめた

ある日田舎へ行く時は
一緒でなくちゃいやだって
だだをこねていたあの日が
きのうのようだね

少しさびしくて ちょっと悲しくて
とてもうれしいよ

クマのぬいぐるみ 歌詞(J-Lyric.net)

筆者の人生を支えてくれている曲のひとつなので、思わず引用してしまった。この曲でなくても、誰にでもこのような思い出があると思う。

同じように、お子さんも人形やおもちゃを人生の一部として、大切にしているかもしれない。それを勝手に捨てるのは、お子さんにとっては「軽度の虐待」と映る恐れもある。

大人になって「虐待だった」と主張することはないかもしれない。しかし、介護がおざなりになるなどのことは考えられる。

子供への教育の結果は良くも悪くも「後からじわじわ来る」ものだ。教育のために本当に断捨離が必要ならするべきだが、まずは子供の気持ちを考えるようにしたい。


余談だが「クマのぬいぐるみ」にピンと来た人なら、「赤いやねの家」にもピンと来るだろう。この歌については「実家の片付け・売却」の記事の、こちらの段落でお話ししている。

「家を売る」という、ある意味「最大の断捨離」に関わる内容なので、興味がある方はぜひご覧いただきたい。興味がなくても、非常に良い歌なのでぜひ聴いていただきたい。

50代でシンプルライフを送るために整理すべき場所

キッチン…吊戸棚にある物は捨ててかまわない

吊り戸棚とは「天井まである高い棚」だ。あそこにある物は、大体死蔵される。要らないから、ああした不便な場所に上げるのだ。

キッチンで本当に必要な物は、大体手が届くところにある。また「ガチのガチ」で必要なものは、切れたらコンビニであろうと買いに行く。「必要」というのはそういうことだ。

和室…来客用布団は捨ててレンタルにする

来客用という時点で、ほとんどの日は使わない。布団はダニの温床になる。ダニの温床が押入れになると、押入れを開けるのが本能的に億劫になる。そして、和室の掃除がおざなりになる。

来客があれば貸し布団を使えばいい。ホテルの布団も「人が使った布団」だ。たとえスイートでも。プロが管理した清潔な布団の方が来客のためにもいいだろう。

風呂場…物が少ないので判断しやすい

風呂場は物が少ない。そのため、断捨離が早く完了する。「小テスト」のようなものだ。小さい課題から成功体験を積み、勢いをつけよう。

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