仏壇の処分方法~費用相場・浄土真宗のルール・粗大ごみの扱いなど~
遺品整理では「気分的に処分しにくい」という品物を多く目にします。その代表的なものが、仏壇をはじめとする「宗教系」のものです。
その中でも特に仏壇は「サイズが大きい」「作りが複雑」という点で、処分方法に悩む方が多いでしょう。この記事では、そうした方の疑問を解決するため、仏壇の処分方法や費用について説明していきます。仏壇の植物で困っている方には、きっと役立てていただけるでしょう。
仏壇を処分する4つの方法
仏壇を処分する方法は、主に4つに分かれます。ここでは、その4つの方法について解説していきます。
お寺に引き取ってもらう
一番メジャーな方法は「お寺に引き取ってもらう」という方法です。どこのお寺に頼むかですが、基本的には「菩提寺」となります。
菩提寺とは
菩提寺とは「自分の家のお墓を置いているお寺」です。一番関係が深いため、仏壇の引き取りにも応じてもらいやすいといえます。
菩提寺が遠かったらどうするか
転勤などを繰り返していて、菩提寺から遠くに住んでいるということもあるでしょう。この場合は「同じ宗派で近くのお寺」に頼みます。
仏壇店に引き取ってもらう
仏壇の処分は「仏壇店」に引き取ってもらう方法もあります。この場合、下の2通りの選択肢があります。
- 単純に「引取だけ」を依頼する
- 新しい仏壇を買い、古い仏壇を下取りしてもらう
おそらく、当記事を読んでくださっている方は「新しい仏壇を買う気はない」でしょう。「単純に処分したいだけ」かと思います。
そのため、ほとんどは「引き取りだけ依頼する」やり方になるといえます。
遺品整理業者に引き取りを依頼
遺品整理を業者に依頼する場合、一緒に仏壇を引き取ってもらうこともできます。これが有料になるか無料になるかは業者次第です。しかし、全体的には「無料の業者が多い」と考えて下さい。
多くの遺品整理業者は「遺品の合同供養は無料」としています。不燃物や家電製品などは1点あたり2000円などの追加料金をとるのが主流です。しかし、仏壇や位牌のような「故人に直接関わるもの」については、無料のことが多くなります。
粗大ごみとして処分
このやり方は、普通の粗大ごみと同じです。ただし「閉眼供養を行った後」という条件です。
閉眼供養さえ行えば、見た目は仏壇でも「仏教的にはただの箱」です。そのため、そこから先の作業は完全に「普通の粗大ごみを出すのと同じ」になるのです。
- 粗大ごみシールをコンビニなどで買う
- 自治体に事前に連絡する
- 当日、時間通りに捨てる
上記のような流れです。自治体に連絡する内容は下記のようになります。
- 捨てる日(自治体指定の収集日)
- 捨てる場所(住所ごとに決まっている)
- 品目(今回の場合は仏壇)
- 名前・住所・電話番号などの個人情報
このように事前連絡し、当日決められた時間に捨てておけば、収集業者の方が回収してくれます(やり方は自治体によって多少異なる可能性がありますが、筆者の自治体では上記のような流れでした)。
仏壇処分にかかる費用
「仏壇の処分にはいくらかかるのか…」「サイズも大きいし、宗教的な意味もあるから相当高くなりそう…」と不安に思っている人もいるかもしれません。しかし、仏壇の処分にかかる費用は、世間のイメージよりずっと安いものです。
ここでは、仏壇を処分する方法別に、費用の相場を解説していきます。
お寺の引取り…3万円~7万円
お寺に仏壇を引き取ってもらう場合の費用は、完全にそのお寺によります。しかし、大体の目安としては「3万円~7万円」といえます。
実際のお寺の引取り料金の例
実際に、お寺がいくらで引き取っているか、費用(お布施)の例を見てみましょう。正確にはお寺ではなく「お寺と提携している業者さん」が示している料金です。
しかし、お寺が「柳谷観音 大阪別院 泰聖寺」と指定されているため、「お寺に依頼するときの金額」に近いといえるでしょう。下記の料金から「業者さんの取り分と推測される分を引く」ことで、お寺に依頼する場合の金額をイメージできます。
高さ | 幅 | 回収処分費用 |
---|---|---|
100cm未満 | 60cm未満 | 35000円 |
100cm以上~140cm未満 | 70cm未満 | 45000円 |
140cm以上~160cm未満 | 80cm未満 | 60000円 |
160cm以上~180cm未満 | 90cm未満 | 70000円 |
180cm以上 | 120cm未満 | 別途お見積り |
※参考…仏壇の魂抜き・お性根抜き~御供養処分について(株式会社新陸運輸・終活事業部)
上記の表の金額をまとめると「3万5000円~7万円」です。お寺に直接依頼する場合は、ここから業者さんの中間マージンがなくなるわけです。そのため、上記の表より少し安くなると考えてください。
ただ、どのくらい安くなるかわからなかったため、この記事ではひとまず「3万円~7万円」を目安としました。
なお、お坊さんが出張する場合の出張費用は「1万2000円(交通費別)」となっています。これもお坊さんの日給を考えると、大体どのお寺に依頼する場合でも共通するといえるでしょう。
仏壇店の引取…2万~8万円
仏壇店に引き取りを依頼する場合は、大体2万円~8万円が相場となります。これは「新しい仏壇を買わず、単純に引取りだけを頼んだ」という場合です。
「新しい仏壇を購入」するなら、安く下取りしてもらえる
これは家具や家電でも同じですが、販売店で新しい商品を買うと、古い商品を下取りしてもらえます。このサービスは仏壇店でも同じです。
たとえば、ある仏壇店では「3辺の長さの合計」の数値別に、下のような料金で下取りしています(新しい仏壇をそこで購入した場合)。
160cm | 5000円 |
---|---|
200cm | 8000円 |
250cm | 1万1000円 |
300cm | 2万500円 |
370cm | 3万750円 |
単純に金額だけでいうと「5000円~3万750円」ということです。端数を省略すると、大体「5000円~3万円」となります。
これはあくまで1社の業者さんの例ですが、下取りの場合の金額として、1つの目安になるでしょう。なお、買い上げる仏壇の金額によっては、無料で引き取ってもらえるケースもあります。
魂抜き&お焚き上げ…5~15万円
魂抜きはすべての仏壇で行いますが、お焚き上げはすべて行うわけではありません。お焚き上げとは簡単にいうと「燃やして供養する」ことですが、仏壇のサイズや構造によっては、燃やすことが非常に困難だからです。
位牌は小さいので、お焚き上げが簡単にできます。そのため、位牌の処分ではほとんどの場合「魂抜き・お焚き上げ」がセットになっています。しかし、仏壇でそれはやや珍しいのです。
お焚き上げをする場合の料金
仏壇専門店「メモリアルアートの大野屋」では、下のような金額でお焚き上げを受け付けています(魂抜きがセットになったものです)。
高さ | 訪問引取 | 店舗持込 | 下取り |
---|---|---|---|
60cm未満 | 5万円 | 4万5000円 | 3万円 |
60cm以上~120cm未満 | 10万円 | 9万5000円 | 5万円 |
120cm以上~180cm未満 | 15万円 | 14万5000円 | 7万円 |
訪問引取りは人件費がかかるため、値段が高くなります。特に2人がかりでないと運べない仏壇の場合、上記の料金に「1人分の人件費」が追加されると考えてください。
店舗持ち込みは訪問引き取りより5000円安くなっています。しかし、運ぶ自分の時給やガソリン代などを考えると「大きいサイズの仏壇なら、訪問引き取りを依頼する方がいい」といえるでしょう。
最期の「下取り」は、大野屋仏壇店で新しい仏壇に買い替えた場合の料金です。訪問引取と比較すると、大体半額になっています。「下取りなら半額」というのは他の業者でも比較的多く見られる基準です。
近場の仏壇店の料金を調べてみよう
ここまでは大野屋仏壇店の料金を紹介してきました。しかし、当然ながら実際の依頼は「近場の仏壇店」でなくてはできません。
どのくらいの距離まで許容できるかは人それぞれでしょう。許容できる範囲でできるだけ安く引き取り、しっかり供養してくれる仏壇店を探すといいかと思います。
(なお、実際にお焚き上げや魂抜きをするのは、仏壇店ではなく正当なお寺です。仏壇店がそのままお焚き上げなどをするわけではないので、安心してください)
遺品整理業者…0円
遺品整理業者は、遺品整理を業者に依頼する場合、大抵は0円となります。仏壇を無料で回収・処分してくれるということです。
他の箇所でも書いている通り、内容は「合同供養」となります。合同供養といっても、当然ながら仏教として正当な儀式であり、個別供養と比較してクオリティが低いということはありません。
「遺品整理を頼むかどうか」が鍵になりますが、もし頼むのであれば「仏壇の処分で、コスパがもっともいい選択肢」といえます。
粗大ごみ…500円~2000円程度
仏壇を粗大ごみに出す場合、費用は大体500円~2000円です。これは自治体によって変わります。
横浜市は1000円
たとえば横浜市の場合、公式サイトに「仏壇は1000円」という情報が記されています。
この金額はちょうど「500円~2000円」の中間値ともいうべきものです。基本的に1000円~1500円程度の自治体が多いと考えてください。
浄土真宗での仏壇処分の仕方
日本人は仏教徒が多いのですが、中でも特に信仰する人が多い宗派が浄土真宗です。ここでは、浄土真宗での仏壇の処分の仕方について解説していきます。
仏壇本体は他の宗派と同じ
仏壇本体の処分方法は、浄土真宗でも他の宗派でも同じです。違いは、仏壇の内部にある「位牌」や「過去帳」に現れます。
位牌の供養が違う
仏壇と位牌は基本的にセットです。そのため、仏壇を処分するときには、仏壇と一緒に位牌も供養します。
この位牌の供養方法が、浄土真宗とその他の宗派では異なっています。違いは「魂抜き」をするかどうかです。
- 浄土真宗…しない
- 他の宗派…する
この違いがなぜ生じるのかを説明します。
浄土真宗は「位牌に魂はない」と考える
浄土真宗では「位牌に魂は宿らない」と考えます。魂が宿っていない以上、それを「抜く」必要もないのです。
このため、浄土真宗の位牌では魂抜きをしません。そもそも、魂抜きだけでなく、厳密な浄土真宗では「位牌自体が不要」とされています。
魂抜きせずに何をするのか?
これは遷座供養(せんざくよう)です。「座を移る供養」という意味です。座は「居場所」という意味だと考えてください。
遷座供養の内容は「お経を読み上げて供養する」というものです。読み上げるお経はまったく違いますが「お坊さんが来てお経を読む」という点では、一般的な法事と似ています。
浄土真宗は位牌でなく「過去帳」がメイン
上に書いた通り、浄土真宗では本来「位牌自体がない」ものです。代わりに「過去帳」を重視しています。
過去帳とは
これは簡単にいうと「家系図」のようなものです。
- その家系の人々の名前(法名でなく普通の俗名)
- 没年月日(亡くなった日)
上記の内容が書かれています。このため、たとえばあなたが過去帳を見れば「ひいおじいさんの名前と、亡くなった日」などがわかります。さらに上の「ひいひいおじいさん」なども把握できるかもしれません。
(どこまで記録しているかは、その家や過去帳によって異なります)
何はともあれ、過去帳とはこのような「仏壇に飾る家系図」と考えてください。
過去帳の処分の仕方
過去帳を処分するとき、位牌と同じように「どうやって処分するのか」という点が気になる方は多いでしょう。ここでは過去帳の処分の仕方を解説していきます。
供養が必要?
これは当然ながら自由です。「信心がなければそのまま捨てる」というのも、もちろん許されています。それは「信仰の自由」だからです。
ただ、一般的には「過去帳をそのまま捨てる」ということはありません。先祖代々の名前と没年月日が毛筆で書かれているため、一種の「念」を感じる方が多いためです。
費用は1冊5000円~1万円が相場
過去帳の処分をお寺に依頼した場合、魂抜きからお焚き上げまでを含めて、1冊5000円~1万円というのが相場になっています。この供養依頼は郵送でもできます。
基本的にはお寺への直接持込より、郵送の方が安いと考えて下さい。
仏壇の処分時、位牌はどうなる?
仏壇を処分するとき、仏壇に飾られている位牌はどうなるのか、という点が気になる人も多いでしょう。ここでは、仏壇を処分するときの位牌の扱いについて説明していきます。
一緒に処分される
仏壇と位牌は大抵セットになっています。このため、仏壇を処分するときには、大抵位牌も一緒に処分されます。
料金は別になることも
多くの場合、仏壇の処分料金に位牌の処分料金も含まれています。しかし、稀に別料金になることもあります。
これは、魂抜きを位牌・仏壇のそれぞれで行う必要があるためです。お焚き上げ自体は「一緒に燃やすだけ」なので、別領域は主に「魂抜きに対してかかる」といえます。
位牌の処分についてより詳しく知りたい方は、下の記事を参考になさってみてください。
まとめ
仏壇だけを単独で処分する場合、お寺や仏壇店などに引き取りを依頼する方がいいでしょう。しかし「遺品整理で仏壇を処分したい」ということであれば、遺品整理業者に任せるのが一番いい選択肢といえます。
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