遺品の処分(遺品整理)を自分でやる方法・手順
親族が死亡してしまった結果、遺品整理を自分でするべきなのか、だれかの協力を得るべきなのか迷っている方は、たくさんいるでしょう。もし、自分で遺品整理をすべき状況である場合、どうすれば良いのでしょうか。
また、親族に不用品の収集癖があり、家がごみ屋敷状態となっていた場合や床材や壁紙に腐敗体液が強く残っているような現場では、どのような対応が必要となってくるのでしょうか。もしかして、自分一人での遺品整理の進め方がわからなくて、下記のようなことで悩んでいませんか?
- 遺品整理を自分で進めるにあたって、どのようなものが必要なのかがわからない・・・。
- 自分で遺品整理を進める場合、どのような手順で作業するのかを把握しておきたい・・・。
- 孤独死の現場の遺品整理を自分でしたくない場合、どうすればいいのか知っておきたい・・・。
この記事では、数多くの遺品整理業務に従事し、専門的な知識をもつプロフェッショナルが正しい遺品整理の進め方について詳しく解説していきます。これから、遺品整理を自分で進めたいと考えている方にとって、非常に参考になるでしょう。
- 遺品の処分を自分で進める前の下準備とは?
- 片付け予定の現場の様子を確認する
- タイミングを決定する
- 親族へ片付けることを正式に通知する
- 税金や各種契約内容の解約手続きを済ませる
- 遺品整理を自分で進める場合の手順
- 片付けに必要なものを用意する
- 親族同士でスケジュールを決定する
- 残すものと不用品を分類する
- 不用品の処分方法を検討する
- 売却可能な資産の処分方法を検討する
- 親族間で、遺品を平等に分配していく
- 賃貸物件なら、解約手続きを進めていく
- 不動産などの処分には、専門家への相談が必要となる
- 自分で遺品整理を進める際、想定しておくべきトラブルとは?
- 処分すべき不用品が想像以上に多い
- 大切なものを誤って処分する
- 近隣住民から苦情がくることがある
- 親族のだれかが勝手に遺品を分配する
- 専門家との連携に苦労する
- まとめ
遺品の処分を自分で進める前の下準備とは?
遺品整理は、突然始められるものではありません。もし、遺品整理が自分でできる環境なのであれば、下記の点を意識することになるでしょう。
- 片付け予定の現場の様子を確認する。
- タイミングを決定する。
- 親族へ片付けることを正式に通知する。
- 税金や各種契約内容の解約手続きを済ませる。
ここでは、遺品整理を自分で進めるにあたって、どのようなことを準備するべきなのか、安全に効率良く進めるために意識すべきポイントを効率良く確認していきます。
片付け予定の現場の様子を確認する
まずは、自分で遺品整理することになる現場の様子を確認してください。その際、自分で作業ができる現場とできない現場を見定める必要があります。たとえば、亡くなった親族がすぐに見つかった現場であれば、腐敗体液が流れることがないため、問題なく遺品整理を進められるでしょう。
しかし、親族の発見が遅れてしまった現場では、腐敗体液から強い腐敗臭が漂っていることが多く、部屋自体に入室できないケースも多いです。その場合は、自分で遺品整理はできないと判断して遺品整理業者の協力を得ることが大切です。
ちなみに、強い腐敗臭がただよう現場は、室内自体が汚染されている可能性が高いため、防護服を着用することなく入室することはおすすめできません。もし、室内に何も問題がなければ、どこから片付けるべきなのか、不用品や遺品の状況を確認していきましょう。
タイミングを決定する
遺品整理を自分でするといっても、親族がいる場合は、財産相続の権利のある人に対して事前に相談をしておく必要があります。そのため、いつ遺品整理をしていくのかというタイミングを決定しなければいけません。
もし、親族が遠方に住んでいるのであれば、一堂に会するタイミングが良いでしょう。その際、親族が仕事でなかなか集まることができず、遺品整理に関する作業がまったく進まないということがあります。
アパートやマンション、一戸建てが賃貸物件であれば、いつまでも契約状態を維持できるわけではないため、早急にタイミングを決定し、相談し合いながら遺品整理を進めていくことをおすすめします。
親族へ片付けることを正式に通知する
遺品整理を進めるタイミングが決定したら、遺された親族に対して通知をしてください。メールや電話で確認し、すべての親族の予定を聞きだすことができたら、遺品整理日について具体的に決定しましょう。
親族に対して遺品整理日を伝える際ですが、ただ日付を連絡すれば良いというわけではありません。何時にするのか、どこに集合するのか、持っておくべきものややるべきことについて、メールや電話で伝えておきましょう。
具体的な詳細について決めておくと、再度連絡する必要がなくなり、遺品整理の作業へとスムーズに移行できます。
税金や各種契約内容の解約手続きを済ませる
遺品整理というと、形見分けや不用品の処分をイメージするかもしれません。しかし、亡くなった故人の税金や各種契約内容の解約手続きを済ませるのも、遺された親族の大切な仕事です。
遺品の中には、売却価値のあるものもあるでしょう。たとえば、売却査定をした結果、1万円の値段がつくものであれば、遺された親族で分配しなければいけません。そのため、自分で遺品整理をするといっても、簡単には進まないということです。よくありがちなのが遺品整理を勝手に進めることによって生じる形見分けのトラブルです。
他者の財産相続者に対して、まったく配慮することなく遺品整理をするのは、重大な違反行為となります。他にも、税金や各種契約内容について見直していないと、無駄な費用が発生するため、故人の決済情報について確認していきましょう。
遺品整理を自分で進める場合の手順
自分で遺品整理を進めるにあたって、作業のタイミングについて決めることができました。基本的な下準備が完了したら、具体的な作業に移行していく必要があります。一般的に、遺品整理業者は、下記のことを意識して作業を進めていきます。
- 片付けに必要なものを用意する。
- 親族同士でスケジュールを決定する。
- 残すものと不用品を分類する。
- 不用品の処分方法を検討する。
- 売却可能な資産の処分方法を検討する。
- 親族間で、遺品を平等に分配していく。
- 賃貸物件なら、解約手続きを進めていく。
- 不動産などの処分には、専門家への相談が必要となる。
どれも自分で遺品整理を進めていくにあって、重要なことばかりですので、ひとつずつ確認していきましょう。
片付けに必要なものを用意する
まずは、片付けに必要なものを用意してください。ぞうきんやダンボール、ホウキ、ちりとりなど、掃除道具を事前に一式そろえておくと、遺品整理の作業がスムーズに進みます。この点については、どのような作業をするかによって変わってきます。
不用品や形見分けすべき遺品の量によって大きく異なりますので、しっかりと準備をしていきましょう。ダンボールや掃除道具を用意していないと、作業がスムーズに進まず、時間の無駄が発生してしまうため、注意してください。
親族同士でスケジュールを決定する
アパートやマンション、一戸建てなど、遺品整理すべき場所に集合したら、親族同士で作業スケジュールを決めてください。実際には、下記のようなことについて作業前に決めていきます。
- だれがどの部屋の片付けを担当するのか。
- すべての親族が集まって片付けるべきところはないのか。
- 遺品整理時の注意点はないのか。
- 故人が死亡する前に、遺言として伝えていたことはないのか。
- 遺品整理時に、買取り対象となるものはないのか。
- 何時までにどこの部屋を確実に片付けるべきなのか。
遺品整理の際、自分が中心となって進めるといっても、そこに参加する人の人数や担当者のモチベーションによって、片付けが完了する時間に大きな差が生じることになります。まったく知識がない人が作業に参加した結果、大切な遺品を捨てられるかもしれません。そのようなトラブルを回避するためにも、明確な作業スケジュールを決めていきましょう。
残すものと不用品を分類する
自分で遺品整理を進める際は、残すものと不用品の2つのものに分類していきましょう。しかし、2つに分類することが異常に難しいという方もいるかもしれません。その際、どのようなものを残しておくべきなのでしょうか。
残しておくべきものとは、財産相続者で形見分けすべきものであり、買取り価値のあるものです。つまり、難しく考えず、資産価値のあるものを残していけば良いということです。そのため、少し迷いが生じたときは、“これって、だれかが買取ってくれるだろうか?”と考えてみてください。
一方で、不用品は、リサイクルを意識して、細かく分類していかなければいけません。燃えないゴミや燃えるゴミ、再利用できるものに分類しておくことで、自治体の回収サービスで効率良く捨てられます。
不用品の処分方法を検討する
遺品整理に関する分類が完了したら、不用品の処分方法について検討していく必要があります。燃えないゴミや燃えるゴミについては、自治体の回収サービスを利用することで、お得に捨てることができるでしょう。
しかし、自分一人での処分が難しい不用品については、だれかの協力を得る必要があります。もし、親族同士で相談し合った結果、自分たちで捨てることが難しければ、遺品整理業者へ相談してください。
遺品整理業者なら、室内にある不用品の処分についても担当してくれます。そのため、不用品の処分について一切考える必要がないため、作業が格段に楽になります。
売却可能な資産の処分方法を検討する
リサイクル可能なものを処分するのは、あまりにももったいないです。その際は、リサイクルショップに不用品を持ち込んでください。実店舗で働くスタッフに査定をしてもらい、売却益を受け取りましょう。
一方で、リサイクルショップに持ち込む時間がないという方もいるでしょう。そのような方は、ラクマやメルカリ、インターネットオークションなどを利用して、リサイクルすることを心がけることが大切です。
ちなみに、遺品整理業者は、不用品の買取業務を実施しています。そのため、リサイクルショップに自分で持ち込まなくても自宅で査定が受けられます。
親族間で、遺品を平等に分配していく
遺品整理で集まったものは、平等に分配しなければいけません。しかし、必ずしも同じ資産額を平等に分配する必要はありません。なぜなら、権利関係が親族によって大きく異なるからです。
たとえば、遺言書に「私が亡くなった場合は、総資産の半分を長女に譲り、残りの資産を次女と三女でわけること。介護をしてくれた長女には、その権利があると思う。最後の願いとして聞いてほしい。」と記されていた場合は、その内容の通り、長女が総資産の半分を相続することになります。
そのため、遺言書の内容によって遺産相続の仕方に違いがでます。遺品整理時に発見した際は、速やかに周囲の親族に開示することが大切です。
賃貸物件なら、解約手続きを進めていく
遺品整理によって遺産の分配や不用品の処分手続きが完了したら、解約手続きについても検討していく必要があります。故人が死亡した時点で大家さんに相談し、今後の契約についてどうするべきか相談しておきましょう。
アパートやマンション、一戸建てなど、それが賃貸物件である以上は、賃貸料金が発生してしまいます。室内の遺品整理が完了した時点で契約手続きを済ませれば、日割り計算によって、少しでもお得になる可能性が高いので、そういった点についても事前に質問しておきましょう。
ちなみに、故人がトイレやお風呂場などで死亡し、床材や壁紙に腐敗体液が強く残っている状況であれば、ハウスクリーニング費用について、大家さんと相談する必要があります。どこまでを原状回復費用として負担すべきなのか、トラブルになる前に詳細について話し合いましょう。
不動産などの処分には、専門家への相談が必要となる
故人が土地や住宅を所有しているのなら、それらの不動産についてどうするべきなのか検討する必要があります。いつまでも使用しない土地や不動産を所有していても意味がありません。
破損した住宅物や管理されない土地などは、近隣住民の迷惑の種にもなりかねません。そのため、トラブルに発展する前に、専門家へ相談することが大切です。もちろん、法的な知識があるのなら、専門家に相談しなくても自分で不動産の遺品整理ができます。
しかし、不動産の遺品整理は、非常に難航を極めます。そのため、最初から専門家に法的な手続きの代行を依頼しておいた方が、スムーズであり時間にも無駄が生じません。
自分で遺品整理を進める際、想定しておくべきトラブルとは?
遺品整理が必要な現場では、さまざまな問題を抱えているケースが多いです。孤独死や自殺、ゴミ屋敷など、どのような現場環境でもスムーズに遺品整理を進める必要があります。ちなみに、遺品整理に関する作業を自分で進める場合、下記のようなトラブルが発生するケースが多いです。
- 処分すべき不用品が想像以上に多い。
- 大切なものを誤って処分する。
- 近隣住民から苦情がくることがある。
- 親族のだれかが勝手に遺品を分配する。
- 専門家との連携に苦労する。
ここでは、自分で遺品整理を進める際、どのようなトラブルが発生するのか、想定しておくべきトラブルについて確認していきます。
処分すべき不用品が想像以上に多い
遺品整理では、想像以上に処分すべき不用品が数多く見つかることがあります。妻や夫が先に亡くなった場合、どうしても住宅に一人で住み続けることになります。自分の子供がいても、ほとんど帰省しなければ体に異変が生じても発見が遅れることがあります。
その結果、認知症の症状によって不用品を大量にため込んでしまうことがあります。もしくは、家電製品が壊れていても、高齢者になり、自分で処分する能力を失ってしまえば、不用品として室内にたまり続けることになります。
そのため、死亡後に処分すべきゴミが大量に見つかります。遺品整理を自分で進めるには、不用品の処分が必要となるため、トラブルとして大きくなる前に確認しておきましょう。
大切なものを誤って処分する
自分で遺品整理を進めていると、大切なものを誤って処分してしまうことがあります。実際に、どのようなものを処分してしまう可能性があるのでしょうか。たとえば、銀行口座などの金融情報や不動産の権利書、継続課金サービスの契約書、税金関係の書類などです。
1度、処分してしまうと、再発行する以外は、回収することが難しくなります。もしくは、非常に買取り価値のあるものを捨ててしまうことがあります。この場合、形見分けや遺産相続時に大きなトラブルに発展する可能性があります。
財産相続の対象となっている物品を自分の判断で勝手に処分してしまうと、それぞれの財産分与の総額が大きく異なってきますので注意してください。
近隣住民から苦情がくることがある
いつまでも自分で遺品整理することなく、アパートやマンション、一戸建てなどの住宅を放置すると近隣住民から苦情がくることがあります。たとえば、下記のような苦情が入ります。
- あなたの家から凄く強い臭いがするんだけど。
- あなたの住宅の屋根の破片が道路に飛びだしてたよ。ちゃんと管理しないと。
- 今後、居住する予定がないのなら、放置するのではなくて、不動産業者を入れてほしい。
- 今後、住宅を管理しないのなら、その事実について周囲に伝えておいてほしい。連絡網をどうするべきか、いつも困っている。
このように、遺品整理に関する手続きをいつまでも長引かせていると、さまざまなトラブルが起きやすくなります。住宅を放置するということは、近隣住民の生活に迷惑をかけることになるため、速やかに対処していきましょう。
親族のだれかが勝手に遺品を分配する
遺品整理に関するトラブルとして代表的なものを挙げるとするならば、親族のだれかが勝手に遺品を分配するというものではないでしょうか。遺品整理において資産価値のあるものを勝手に分配すると、どこかでトラブルが大きくなってしまいます。
故人が亡くなる前に、「今後のことも考えて、あの壺を長男であるお前に譲ろうと考えている。資産価値のあるものだから、万が一のときに売ってしまって構わない。」と言われていても、他の親族の了承を得ることなく分配してはいけません。
もし、室内から持ちだすのであれば、財産相続する権利を有する親族を集めて、その事実について話しておくべきです。そういったことができていない以上、本当に故人が話していたのかを判断できないため、勝手な自分の判断で遺品整理するのはやめておきましょう。
専門家との連携に苦労する
もし、財産分与するものがなく、簡単な片付けで完了するのであれば、それほど苦労することはないでしょう。しかし、故人が土地や住宅などの不動産を数多く管理している場合、その権利者をだれとするのか、売却するべきなのかについて話し合い、しかるべき手続きを進めていく必要があります。
その際、どうしても複雑な書類や法律についての勉強が必要となります。もし、そのような勉強が大変だと感じる方は、遺品整理業者や不動産管理の専門家に対して、法的な続きや契約書の作成について相談しなければいけません。
すぐに見つけることができればよいですが、自分が理想とする専門家が見つからないことがあります。トラブルを大きくしたくなければ、どのような専門家が必要なのか、事前に整理しておきましょう。
まとめ
今回は、どうすれば遺品整理を自分でできるのか、やっておくべき下準備や想定すべきトラブルについて、プロの遺品整理業者が詳しく解説させていただきました。遺品整理が自分でできそうなのか判断する具体的な基準として参考になったのではないでしょうか。
もし、自分で遺品整理をする予定だったけれど、さすがに難しいと感じているのなら、遺品整理業務を専門としている弊社へ仕事を依頼してみませんか?弊社には、どのような問題を抱えた依頼者にも対応できる人材がそろっています。
依頼前に、どれくらいの費用が必要なのか、見積もり額を提示するため、それ以上に多くの費用を請求することは絶対にありません。特殊清掃の必要な現場でも、専門的な知識を有するスタッフが在籍しているため、なんでもご相談ください。もし、弊社への見積もりを希望する場合は、メール、または、お電話でご連絡ください。
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